2018年02月19日23時22分掲載
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国際
トルコがシリア内クルド人攻撃 米国が矛盾した声明を発表
1月23日付のThe New York Times紙は、トルコがシリアのクルド人を攻撃したことについて、米政府が火曜日にトルコ大統領をなだめることを目的とした声明を発信し、米国がシリアのクルド人への支持を弱めることを示唆したと報じた。
しかし、この声明は「米国はトルコが北西シリアの拠点を侵略したとしても、引き続きクルド人を支持する」として、米国国防総省によって即座に否認された。
相容れないこれらの声明は、米政権内で相反する勢力同士のバランスを保とうとする米政府の努力を反映したものだと同紙は見ている。
米国がクルド人を支援していることに憤慨しているトルコは、NATO(北大西洋条約機構)の加盟国であり、一方のクルド人は「イスラム国(ISIS)」との戦いにおける米国の重要なパートナーである。
米政府は、トルコが厳しく抵抗しているシリア北東部で、米軍がクルド主導の軍隊を創設する計画などは無いと否定している。それにも関わらず、クルド人の民兵組織をテロ組織とみなしているトルコは、この計画について、南部国境沿いのクルド人居留地を確固たるものにすると批判している。
同紙によると、トルコがシリアのクルド人勢力の玄関口とされ、かつ米軍がクルド人民兵を訓練している拠点のマンビジを攻撃する計画も浮上。そのことで、米兵の死者が出る可能性があり、両国の関係はISISとクルド人との関係で矛盾する協力と対立関係に悩まされていると同紙は伝えている。
〔ND米紙ウィークリーニュース第137号(February 12, 2018)〕
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