2018年04月13日11時08分掲載
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東日本大震災
7年を経て JR駅の復旧&大槌町を往く
JR山田線が三鉄に替わって来春開通することもあって山田と大槌を歩いた。
山田は新聞等で報道された通りで着々と進んでいる印象。一昨年末にこのニュースで報告したように駅前はマーケットや本屋、レストランが開業し、町内で最大規模の災害公営住宅が建ち日常生活が営まれる。
大槌町の波板駅は高台にあり整備がはじまったばかり。サーフィンのメッカだった海岸は波が直接堤防にぶつかり、かつての砂浜が消えている(地震で地盤が東に寄り、海底が沈降といわれる)。吉里吉里駅も高台にあり同様で、この駅から下の海岸に向かって5m程度の土盛りが行われて新たな街区が整備され、自力再建の家が並び真新しい公民館が開館を待つ。海岸線は新たな堤防の建築作業中。
大槌は死者が1千人を越える大きな被害があったところで、「ひょっこりひょうたん島」のモデルがある港。岸壁のかさ上げや港内の整備は終わり、加工場などが建つ。流された海べりの鉄橋や鉄路、駅舎の復旧が作業中。新ホームは建築中、完成した駅前広場近くに戸建災害公営住宅が広がる。しかし、ここから内陸の国道45号線に向かう中心部は更地が広がるばかりで、傷跡の深さを実感する。
旧町庁舎の解体を巡る問題は、解体予算提案について「慎重な検討」を求める新たな住民団体が集会を開催していたので参加した。町長と議会に要望するとのことだが、津波被災を後世にどのように伝えるかを考えるうえで、貴重な問題提起であった。どこの被災地であれ復旧への意見の違いはある。二者択一で解決できないこともある。7年を経てなお残されている課題は、「公約」一点張りでは解決しない、自治体の長として禍根を残すことは避ける手はずを探究して欲しいとの感想を持った。(編注:解体費用を含む補正予算は3月15日町議会で可決された)(2月10日 宮古/前川昌人)
〔『東日本大震災津波救援・復興岩手県民会議だよりNo.37(2018年3月28日発行)】より転載〕
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