2018年04月18日22時12分掲載
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政治
ポスト安倍時代を考える 自民党内リベラル派に未来はあるのか 岸田文雄政調会長と宏池会について中野晃一教授(政治学)に聞く
昨年10月の総選挙の際、リベラル派の集結が政界再編の大きなテーマになった時、自民党内のリベラル派である宏池会がどう動くかが注目された。現在の宏池会の会長が岸田文雄政調会長である。岸田氏は残念ながら動きを見せず、安倍政権を追認するのみに見えた。
自民党の次期政権、あるいは政界の次代を考えた時に自民党内の「リベラル勢力」をどう見るか。このことは野党第一党の立憲民主党の行方ともども興味深い点だ。政治学者の中野晃一教授(上智大学)はポスト安倍時代をどう見ているのだろうか。自民党の宏池会に焦点を当ててお聞きした。
中野晃一教授
「かつて1980年代に中曽根が首相になった時、中曽根本人のタカ派・歴史修正主義的傾向にもかかわらず、田中派や宏池会全盛の時代、現実には今から見ると大したことはできませんでした。それと同様に、日本会議系がここまで主流化している自民党の実態を考えると、岸田や野田聖子のような比較的穏健な首相が誕生したところで、リベラルな方向に急転換ということはなかなか難しいだろうと思っています。むろん、安倍政権の終わり方によっては、これまでの右傾化に対する揺り戻しが始まるとは思いますが。また、いわゆる自民党内の『リベラル勢力』については、かつての宮澤らの世代では戦争体験が『背骨』となっていましたが、いまの世代にはそうした『背骨』がありません。もともと権力争いが得意なグループではないですが、いまの連中はいっそうダメだと思います。いずれにしても、野党のリベラル左派勢力がもっと強くなってはじめて、彼らも自民党のなかでもう少し発言権を回復できるのではないでしょうか。」
(参照記事)
■近日刊行 中野晃一著「私物化される国家 支配と服従の日本政治」 (角川新書) 〜アンチ・リベラルはなぜ膨張したのか〜
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201802011516474
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その1
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080022143
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その2
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080111133
■野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その1
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■野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その2
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■民進党はどうなるのか? 民進党・参議院議員会長の小川敏夫氏に聞く
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■政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日 その1
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■政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日 その2
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■中野晃一著 「右傾化する日本政治」 新右派転換とは何か。
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