2018年05月02日23時53分掲載
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国際
欧米の利害対立、混迷深まるイラン核合意
4月15日付のThe Washington Times紙は、5月中旬に米国がイラン核合意から撤退するかどうかを待たずに、欧州各国は合意維持のための緊急事態対策を準備していると報じた。中露政府はこの核合意に支持を表明しているという。
米国の離脱と追加制裁の再検討が、イラン政府と英独仏を含む欧州との政治経済関係を損ない、中東のさらなる不安定化が懸念されると同紙は述べている。トランプ氏は、核開発制限のために経済制裁を解除したオバマ政権時代の協定を繰り返し批判している。
同紙は、イラン政府が協定を遵守しなければ、欧州は核弾道ミサイル圏内となり、中東諸国との紛争も激化する恐れがあると指摘。国際原子力機関(IAEA)は、2015年以来、イラン政府が原子力の備蓄を減らし、平和目的によるウラン利用を含む協定条項を守っていると複数回報告しているが、イランのシリア、イエメンへの介入が影を落としていると同紙はみている。
欧州や中露にとってイランは8200万人の消費者を持つ魅力的な市場であるが、トランプ大統領就任以来、イランは、国外との経済活動をほとんど行っていない。さらに中東でのイスラエル、サウジアラビアの思惑が交渉を困難にしている。5月末に独首相のメルケル氏とマクロン氏は訪米し主要課題として、この問題を取り扱うのではないかと同紙は見ている。
〔ND米紙ウィークリーニュース第142号(April 28, 2018)〕
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