2018年05月23日00時12分掲載
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労働問題
働く人が大切にされる社会を!〜高プロ・裁量労働制拡大はいらない!日比谷野音集会2018
安倍政権が今国会の最重要法案と位置付ける「働き方改革関連法案」について、与党が5月23日に衆議院厚生労働委員会で強行採決に踏み切るのではないかとの観測もある中、その前日の5月22日、与党案に反対する日本労働弁護団主催の集会が東京・日比谷野外音楽堂で開催された。
日本労働弁護団の徳住堅治会長は、開会挨拶の中で、与党案が導入を目指す“高度プロフェッショナル制度”について、
「国会情勢は大変緊迫してきました。明日にでも強行採決されようとしている働き方改革関連法案には猛毒が含まれています。私は、高度プロフェッショナル制度は猛毒だと思います。高度プロフェッショナル制度は、一定の報酬を払えばいくらでも労働させることができる、24時間連続して働かせることができる、こういう制度です。過労死・過労自殺が増えることは明らかです。しかも時間管理が必要ありませんから、労災認定には、労働者としては非常に苦労することになります。年収要件が現在1,075万円となっていますが、これは引き下げられることが前提となっています。経団連は以前“400万円”と主張しました。高度プロフェッショナル制度は、労働基準法の労働時間法制を溶解してしまう悪法だと思います」と説明し、十分な議論無しに強行採決することは断じて許せないと訴えた。
続く情勢報告では、日本労働弁護団の棗一郎幹事長が、
「本日午前中の衆議院厚生労働委員会で参考人質疑を終えた寺西笑子代表を始めとする『全国過労死を考える家族の会』の方たち10数名は、昼間に首相官邸前で『私たちの声を聞いてくれ』『高プロ制度は法案から削除してほしい』『法案を強行採決することは、あってはならない』と訴えつつ、座り込み行動に取り組まれました。連合の神津会長、全労連の小田川議長、全労協の金澤議長も激励に駆け付けてくださいました」と報告しつつ、
「ナショナルセンターの枠を超えた労働組合、市民運動、労働弁護士が一緒になって、『働き方改革一括法案から高プロ制度という猛毒を削除させる。強行採決はさせない』という覚悟で、野党の皆さん共々、最後の最後まで諦めることなく闘っていきたい」と訴えた。
野党からは、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、自由党、社会民主党の各国会議員が会場に駆け付け、引き続き国会で頑張っていく旨アピールした。
また、連合の内田厚副事務局長、全労連の小田川義和議長、全労協の金澤壽議長が、それぞれ激励・共闘の挨拶を行ったほか、全労協を中心とする労組・団体が取り組んだ「労働法制改悪阻止!全国キャラバン」について、全統一労働組合の坂本啓太書記次長が代表して報告。
さらに「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表と「かえせ☆生活時間プロジェクト」発起人である早稲田大学の朝倉むつ子教授が、それぞれの立場から与党案への反対を訴えた。
そして集会終了後、参加者は国会議事堂に向けて請願デモに出発した。(坂本正義)
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