2018年05月30日21時05分掲載
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農と食
米国司法省 バイエルンのモンサント買収を承認
米国司法省は5月29日、バイエルによるモンサント買収について約90億ドルの一部事業の売却を条件に承認したと発表した。これにより売上高200億ユーロ(2兆5千億円)の巨大な農薬・種子企業が誕生することになる。これまでの農薬・種子の大手6社が、BASFを含む4社に再編される。欧米の農民団体やNGOを中心に、寡占化の進行は農薬や種子価格の上昇を招き、食料主権が危うくなると批判されていた。(有機農業ニュースクリップ)
米国司法省は、バイエルのモンサント買収の条件として、バイエルの綿花、ナタネ、ダイズ、野菜の種子事業とともに、モンサントの除草剤ラウンドアップの主要な競争相手であるバイエルの除草剤リバティーリンク事業などの売却あげている。
バイエルは29日の声明で、BASFに対する事業売却が完了する2か月後にはモンサントの買収が完了すると発表した。
バイエルのモンサント買収について、EU委員会は3月21日、一部事業の売却などの条件を付けて承認すると発表している。バイエルはこれまでに、BASFに対して野菜種子事業などの追加売却を明らかにし、総額約1兆円規模の事業を売却するという。今回の米国司法省の承認条件は、これらの事業売却を指しているという。
ロイターによれば、バイエルのモンサント買収の完了で、新会社の売上高は約200億ユーロとみられているという。すでに合併しているダウ・デュポンの農業部門の売上高は124億ユーロ、中国化工集団(ケムチャイナ)に買収されたシンジェンタは110億ユーロとなるとしている。
・Department of Justice, 2018-5-29
Justice Department Secures Largest Merger Divestiture Ever to Preserve Competition Threatened by Bayer’s Acquisition of Monsanto
https://www.justice.gov/opa/pr/justice-department-secures-largest-merger-divestiture-ever-preserve-competition-threatened
・Bayer, 2018-5-29
Operations of Bayer and Monsanto to be integrated as soon as divestments to BASF have been accomplished
http://www.news.bayer.com/baynews/baynews.nsf/id/U-S-Department-of-Justice-conditionally-approves-Bayers-proposed-acquisition-of-Monsanto
・ロイター
米当局、独バイエルのモンサント買収承認 資産売却条件に
https://jp.reuters.com/article/monsanto-m-a-bayer-idJPKCN1IV01H
・日経, 2018-4-27
BASF、バイエル種子事業買収を1兆円規模に拡大
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2991508027042018000000/
バイエルのモンサント買収に反対してきた欧米のNGOなどの声明はまだでっていない模様。
【関連記事】
・EU委員会 バイエルのモンサント買収を承認 NGOなどは非難の声明
http://organic-newsclip.info/log/2018/18030905-1.html
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