2018年06月01日14時09分掲載  無料記事
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遺伝子組み換え/ゲノム編集

厚労省 GM微生物由来添加物を次々と承認   すでに今年2回目

 厚労省は5月21日、遺伝子組み換え微生物を使って生産した、天野エンザイムのグルコースオキシダーゼと、ノボザイムズのアルカリ性プロテアーゼを承認した。これにより承認されたGM添加物は33品種となる。厚労省は今年1月にも遺伝子組み換え由来の添加物1品種を承認している。ここ数年、遺伝子組み換え微生物由来の添加物の承認件数が増えている。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 天野エンザイムのグルコースオキシダーゼは、グルコン酸の製造、乾燥卵白製造時の着色防止、パン製造のグルテン形成に使用する添加物であり、もう一つのノボザイムズのアルカリ性プロテアーゼは、畜肉や魚類エキス製造時の抽出効率の向上に使用する添加物。いずれも表示は不要であり、使用されても消費者には分からない。この2品種は、食品安全委員会が4月10日に「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする評価書を決定している。 
 
 ・厚労省, 2018-5-21 
  安全性審査の手続を経た旨の公表がなされた遺伝子組換え食品及び添加物一覧 
  http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000207387.pdf#page=33 
 
 ・食品安全委員会, 2018-4-10 
GOOX-1株を利用して生産されたグルコースオキシダーゼ 
  http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20180410fsc&fileId=310 
JPBL001株を利用して生産されたアルカリ性プロテアーゼ 
  http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20180410fsc&fileId=330 
 
 2007年で途絶えた遺伝子組み換え微生物由来の添加物の承認件数が増えている。2012年から徐々に承認件数が増えてきている。承認された遺伝子組み換え添加物33品種のうち19品種、約6割がノボザイムズ(デンマーク)の遺伝子組み換え添加物である。現在、食品安全委員会では欧米企業による遺伝子組み換え微生物による添加物5品種が審査中である。別の1品種は5月29日、「ヒトの健康を損なうおそれはない」とする評価を決定している。 
 
 こうした遺伝子組み換え添加物は表示義務がないため、たとえ使われたとしても消費者には分からないという問題がある。昨年度、消費者庁が開催した遺伝子組み換え食品表示検討会でも問題とはならなかった。 
 
※添付 グラフ 遺伝子組み換え添加物承認推移_.jpg 
 
【関連記事】 
 ・厚労省 GM大豆とGM微生物由来添加物を承認 
  http://organic-newsclip.info/log/2018/18020891-2.html 


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