2018年06月02日11時00分掲載
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国際
高まる対ロ軍拡競争 米第2艦隊再編成へ
5月6日付のThe Washington Post紙は、米海軍が、ロシアとの軍拡競争を受け、2011年から活動停止していた第2艦隊を再編成させると発表したことを報じた。
第2艦隊は、米東海岸と北大西洋を担当しており、ロシアの軍事プレゼンスに対抗するという名目で、今年7月、米ノーフォークで再始動の予定だという。
米海軍では、2017年に日本近海において第7艦隊と民間船との衝突事故が発生したことを受け、再編の機運が高まっていたと同紙は報じている。なお、海軍からは、国防戦略として、イタリアに拠点を置く第6艦隊の活動範囲を含めた大西洋における艦隊戦略の再建が呼びかけられたという。
マティス国防長官は、2001年以降の米軍の消耗を抑え、ロシアと中国に対抗する「長期戦略作戦」を発表した。
同紙によると、現在、中ロはより強力な最新兵器を備えつつあり、冷戦時代のような軍拡競争に入りつつあるという。
特にロシアは、クリミアとウクライナを占有し、サイバー攻撃や選挙介入、NATOが使用する海底通信ケーブルへの軍事干渉など、欧米諸国に対して多くの敵対行動を引き起こしていると同紙は指摘。
同紙はまた、米海軍が、核を搭載したロシアの潜水艦に懸念を抱いていると伝えており、この潜水艦は米東海岸を射程範囲に置くことが可能で軍事的緊張が増しているという。
第2艦隊再始動は、NATOとの共同指揮を含めた幅広い協力を可能にすると同紙は報じている。
〔ND米紙ウィークリーニュース第143号(May 29, 2018)〕
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