2018年07月10日17時12分掲載
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国際
中国で音響攻撃被害か 米国が警告
6月8日付のThe New York Times紙は、米国務省が中国に滞在する米国人に対し、奇妙な「聴覚や感覚現象」を経験した際には、医師の診察を受けるよう勧告したことを報じた。
勧告の前には、広州南部の米国領事館に所属する少なくとも2名の従業員が、診察のため米国に帰還。この2名の症状は、2016年にキューバで米国外交官が訴えた健康被害の症状に似ているという。この外交官は脳震盪や軽度の外傷性脳傷害に類似した症状を訴え、原因は奇妙な音であったと同紙は伝えている。6月1日には広州に米医療チームが送られ、外交官と希望があった家族に健康診断を行った。
同紙は米国人が特定の攻撃対象になっているのではないかと指摘する。一部には、キューバと中国での「音響攻撃」はロシアの仕業ではないかという憶測もある。中国の新聞は、病気の原因を米国が敵視する外部からの攻撃と判断づけるには早すぎるとし、他国の外交官に同じ症状は起こっていないので内部要因を調査すべきと指摘している。
なお中国外務省は、外交官を守る義務を負っているとして、病気の原因究明を支援すると伝えた。同紙によると、中国で在留ビザを保有している米国人は17万5千人。また、毎年200万人以上の米国人が中国に渡航しているという。
〔ND米紙ウィークリーニュース第146号(July 5, 2018)〕
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