2018年07月11日00時11分掲載
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中国
中国・広州日弘機電公司で春闘交渉員の不当解雇
ひどい事件である。労働者の権利を行使しようとしただけで、会社だけでなく、(御用)労働組合からも嫌がらせを受けて、あげくのはてに解雇されてしまうとは。
詳細は、翻訳したレポートを読んでほしいが、中国の特色ある資本主義が、日本のそれとそっくりなことを物語るケースでもある。日本発条株式会社が中国広東省に設立した100%子会社の広州日弘機電公司で最近起こった事件だ。この工場では東風ホンダや日産でエンジンの弁バネを製造している。
このケースは、経営と一体となった労働組合という日本式職場管理の典型であるとともに、2010年に広州ホンダの労働者たちが掲げた「労働組合の民主化」の要求が、2013年以降に後退してからの現状を示してもいる。
米中の「貿易戦争」といわれているが、資本家の「戦争」で犠牲になるのはいつも労働者や農民。貿易戦争は、日本企業のサプライチェーンやバリューチェーンの再配置を通じて労働者にも影響を及ぼす。
労働者の国際連帯には「Trade War」ではなく「Class War」が重要である。
不当解雇された当該は、会社と労組の違法行為に対する仲裁を地労委に申請し、受理されている。また中国国内でも支援の輪が広がっているようである。今後とも注目したい。
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<工人代表−女工・沈夢雨は如何にして鍛えられたか!>
現在の官製労組は、労働者に奉仕するという旗を掲げながら、実際にはイエローユニオンであり、つねに資本家の側に立って、彼らにピッタリ寄り添い奉仕しています。ある労組の委員長が言ったように「(わたしは)会社で働いており、会社から賃金をもらっているので、当然、会社のために活動している」。
労働者たちが真に自分たちの権利のために働く代表を選出し、その代表が真に労働者の権利向上の職責を果たさせようとすれば、必ず資本家と官製労組による無数の嫌がらせと弾圧を被る。
沈夢雨[シェン・モンユー]という女性労働者は、広州日弘機電有限公司(東風ホンダ自動車の部品供給工場)の現場労働者から選出された労働者代表[団交交渉員]で、労働者の当然の権利と尊厳のために活動し、醜い官製労組と生き血を吸う資本家と、知恵と勇気でたたかい、屈服しなかった!
ここに、沈夢雨の闘争の経過を整理し、労働者代表・沈夢雨は如何にして鍛えられたのかを明らかにする!
(闘いの経過など、詳細はこちら)
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〔日中労働情報フォーラム(Japan China Labor Information Forum = JCLIF)ウェブサイトから転載〕
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