2018年08月06日11時42分掲載  無料記事
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教育

福島駅前自主夜間中学 前川喜平講師の授業同時進行ルポ  

 前川喜平現代行政研究会代表(元文部科学省事務次官)は、退官後、福島駅前自主夜間中学のボランティア講師として活動している。2018年7月18日(水)の授業の様子を報告する。(高橋健太郎) 
 
 第1部 授業点描 
(昼の部 第一第三水曜日14:30〜16:30 チェンバ大町3階) 
※受講料無料 教科書も準備してある 
 
 前川氏は、2017年1月 日に次官退任後、2月1日から福島駅前自主夜間中学でボランティア講師として、新聞を利用した「時事解説」(正規の教科名ではない)を担当している。 
 7月18日は、『朝日新聞』(東京版)をテキストに参議院の定数を6増やす法案(7月18日成立)を主題に解説。 
 
 「時事解説」受講者は7名。選挙制度について質問が相次ぐ。「小選挙区制は、選挙区の大小ではなく、『当選者が一人』のため『死票』が多く、民意が必ずしも正確には反映されない」「参議院は、任期が6年。『解散がない』ため定数の半分を3年ごとに選挙で選ぶ」等と解説。 
 
 受講者の渡辺宏司(ひろし)氏(79歳)は、以前、前川氏の講演を聴講したものの「難しくて理解できなかった」と話す。 
 この旨を自主夜間中学の授業で同氏に伝えたところ「講演内容をおさらいしてもらった」と話す。 
 これ以来「すっかり前川ファン」。この日の福島市は「36度の酷暑日」。勉強できる喜びを胸に自転車で「通学」。 
 同氏の質問がきっかけとなり、他の受講者が「議員定数を増やす理由」「合区とは」等と質問する姿も見られた。 
 
 14時30分、授業開始。1コマ45分。約30分の『コミュニケーションタイム』を挟み、後半の授業に臨む。 
 『コミュニケーションタイム』とは、受講者、講師陣による茶話会。新規受講者や見学者などの「新顔」は、この場で自己紹介する習わし。「では、最初に高橋さんから。」 
 
 一服後、授業再開。 「ドント式」等、受講者から再質問のあった用語を中心に解説。受講者は熱心にメモを取る姿も見られた。 
 
 授業後、自転車で帰宅途中の渡辺氏から授業の感想を伺った。「いくら暑くても蒸し蒸ししてもまた来たい。」(了) 
 
(第二部へ続く) 
 
(たかはし・けんたろう『日刊ベリタ』編集委員会会員・記者) 


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