2018年08月08日20時29分掲載  無料記事
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移民大国ニッポン

厚労省による外国人を対象にした国保利用実態調査の停止を求める賛同署名キャンペーン

 移住連では、8月3日に発表しました抗議声明「外国籍者の医療保険加入をめぐる報道と調査についての抗議声明」に関し、オンライン署名ウェブサイトの「Change.org」においてキャンペーンを開始しました。 
 私たちは、このキャンペーンを通して、昨今過熱している、外国人が医療保険制度へ「ただ乗り」しているといった事実誤認のフェイクニュースを根拠に行われている、厚生労働省と法務省による自治体の国民健康保険(国保)窓口で外国人を対象とした実態調査の停止を求めます。 
 
「Change.org」ウェブサイト https://www.change.org/ja「トップページ」 → 「キャンペーン一覧」 → 「外国人の医療保険制度への『ただ乗り』はフェイクニースです! 厚生労働省と法務省は、フェイクニュースにもとづいた、公的機関による外国人差別である窓口調査をやめてください!」(発信者:NPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク)を選択してください。 
 
 ※署名は匿名でもしていただけます!※ 
「Change.org」ウェブサイトの署名欄のコメントボックスの下に「自分の賛同者名及びコメントをキャンペーンぺージ上で公開」というチェックボックスがあります。そこのチェックを外して賛同すると、匿名での署名が可能です。多くの皆さまの賛同、よろしくお願いいたします。 
 
 キャンペーン本文は、以下のとおりです。 
 
     ★     ★     ★ 
 
【外国人の医療保険制度への「ただ乗り」はフェイクニュースです! 厚生労働省と法務省は、フェイクニュースにもとづいた、公的機関による外国人差別である窓口調査をやめてください!】 
 
 私たちは、在日外国人を支援する個人・団体のネットワーク団体であるNPO法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)です。 
 近年、外国人が、日本の医療保険制度に「ただ乗り」している、あるいは「日本の保険証が狙われ」ているといった、外国人への差別や偏見を助長するような、事実に反した報道、つまりフェイクニュースが相次いでいます(※1)。 
 外国人が医療保険制度に「ただ乗り」している実態がないことは、厚生労働省自身が認めています。にもかかわらず、同省は、これらフェイクニュースを根拠に、法務省とともに自治体の国民健康保険(国保)窓口で外国人を対象にした実態調査をしています。 
 しかし、この調査は、省庁という公的機関による、外国人にたいする差別や偏見の助長というだけでなく、国保資格をもつ外国人がその制度の利用を控えるといった萎縮効果を生む恐れがあります。 
 私たちは、このキャンペーンを通して、厚生労働省と法務省に、外国人にたいする差別的な取り扱いである実態調査をやめるよう求めます。公的機関が、外国人差別をしてはならないという声を届けるため、ぜひ署名にご協力をお願いします! 
 
(※1) 
 移住連は、2018年7月23日に放送されたNHK『クローズアップ現代+』「日本の保険証が狙われる〜外国人急増の陰で〜」の放送が、事実に基づいておらず、制度への無理解あるいは恣意的な情報操作のもとに制作されたものと考え、謝罪と撤回を求める意見書を提出いたしました。 
 詳しくは、こちらをご覧ください。http://migrants.jp/news/opinion-nhk-180803/ 
 
● 厚生労働省および法務省は、「在留外国人の国民健康保険適用の不適正事案に関する通知制度」の試行的運用を直ちに取りやめてください! 
 
 厚生労働省は、昨年、報道をきっかけに、通知〔平成29(2017)年3月13日保国発第0313第1号〕を発し、2018年3月に自治体を通して在日外国人の国民健康保険(国保)利用に関する実態調査を行いました。 
 この調査で明らかとなったのは、2016年11月から2017年10月の1年間における外国人レセプト総数14,897,134件のうち、国保資格取得日から6ヶ月以内に80万円以上の高額な治療を受けたのは1,597件(総数の0.01%)であり、そのうち「不正な在留資格である可能性が残る」とされたのは2名だけでした。 
 厚生労働省自身も、「在留外国人不適正事案の実態把握を行ったところ、その蓋然性があると考えられる事例は、ほぼ確認されなかった」と述べています。〔厚生労働省「平成29(2017)年12月27日保国発第1227第1号」通知〕 
 しかし、厚生労働省は、同じ通知であらためて「在留外国人の国民健康保険適用の不適正事案に関する通知制度」の試行的運用を全国の自治体に求め、現在、実施されています。 
 具体的には、市町村に「外国人被保険者が資格取得から1年以内に国民健康保険限度額適用認定証の交付申請を行った場合」や「その他高額な医療を受ける蓋然性が高いと市町村が判断した場合」に、その外国人被保険者から在留資格等の聞き取りや確認を求めています。あわせて「外国人被保険者が在留資格の本来活動を行っていない可能性があると考えられる場合」には、法務省入国管理局にその旨を通知するよう求めています。 
 こうした在留資格の判断は本来、出入国管理及び難民認定法(入管法)にもとづいて法務省入国管理局が行う業務です。国保窓口で、在留資格に関わる調査を求めることは、国保担当の職員に自らの権限と職務を逸脱して、外国人の個人情報の聞取りを強いることになっています。 
 なお国保担当の職員の多くは、入管法や在留資格に関する正確な知識をもっていません。そうした職員が独自に「疑わしい」と判断した外国人に聞取りを行うことは、外国人被保険者への差別や偏見を助長するばかりか、外国人が国保利用を控えるといった萎縮効果を生むおそれがあります。 
 現在、日本政府は、外国人労働者の受け入れを拡大しようとしています。その拡大について検討する「外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議」が、7月24日に公表した「外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(案)」においても、「医療保険の不適切使用の防止」策として、「市町村と地方入国管理局が連携し…適正化に向けた新たな取組を進める」ことが盛り込まれています。つまり、外国人の保険制度への「ただ乗り」というフェイクニュースにもとづいた差別的な施策が、今後、拡大実施される危険があります。 
 そうしたことを防ぐためにも、私たちは、試行段階である今、この施策を止めるよう強く求めます。 
 
〔移住連ウェブサイト「Information お知らせ」より転載〕 
 
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特定非営利活動法人 移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連) 
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(FAX)03−3837−2317 
(Web) http://migrants.jp/ 


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