2018年08月20日23時21分掲載
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中国
中国で当局に拉致された疑いがある女性労働運動家を解雇したのは日系企業
中国・深センで労働運動活動家の女性が行方不明になり、当局に拉致された疑いがあると8月18日付け東京新聞が報じた。彼女が解雇された企業は日系企業で、日本発条株式会社(ニッパツ、横浜本社)の常務執行役員で精密ばね生産本部長の大竹一彦氏が総経理(社長)を務めるニッパツ100%子会社の広州日弘機電有限公司であることが分かった。(大野和興)
東京新聞記事から紹介する。
東京新聞2018年8月18日 朝刊
労働運動の「ヒロイン」 中国当局拘束か
【上海=浅井正智】中国広東省深センの化学工場で、労働者の待遇改善のため労働組合をつくろうとした女性、沈夢雨さんが、何者かに拉致されて行方不明になった。労働者の支援活動で主導的な役割を演じる沈さんは一部でヒロイン視され、中国各地の大学生が応援に駆け付けていた。沈さんへの支援拡大が社会不安につながる恐れから、当局が拘束した可能性がある。
米政府系放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)や香港メディアによると、沈さんは11日夜、両親と夕食後、「おじ」と称する三人組の男に連行された後、行方不明となった。
沈さんは深センの化学工場の労働環境を改善するため、会社の「御用組合」から独立した労組設立に向け労働者を支援してきた。会員制サイト(SNS)のツイッター上に投稿された沈さん自身の動画では「もし私が行方不明になったら、何らかの勢力の仕業だ」と語っていた。
沈さんは2015年に広東省の名門・中山大学大学院を修了後、自動車部品工場の労働者となった。劣悪な労働環境を目の当たりにし、会社に改善を訴えたことで解雇され、その後は労働者の支援活動に入った。
この記事でいう沈さんを解雇した自動車部品工場は、冒頭で述べた横浜に本社があるニッパツ100%子会社の広州日弘機電有限公司である。
珍さんが拘束されたことに対し、中国国内だけでなく、香港、台湾などの労働組合から抗議の声が上がっている。
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