2018年09月01日00時02分掲載  無料記事
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労働問題

連帯労組関西地区生コン支部に対する弾圧への抗議と逮捕者の即時釈放を求める市民の声明が出されました

 関西に連帯労組関西地区生コン支部というそれほど大きくはない労働組合があります。大きい労組ではないのですが、その戦闘性と先駆的な活動で、労働運動だけでなく協同組合運動、市民運動にも影響力を発揮し、国際的にも徐々に知られるようになっています。 その労働組合にいますさまじい弾圧がかかっています。(大野和興) 
 
 差別と排外主義を掲げた右翼暴力集団に億を超える金が流れ、同組合に対する誹謗中傷と直接的暴力が加えられています。その暴力を背景に、警察当局による事務所や組合幹部宅への家宅捜査が続き、組合関係者10人ほどが逮捕されました。武建一支部委員長も8月28日に逮捕されています。 
 
 同労組へのこうした権力による弾圧に対し、今さまざまな立場から激励と逮捕者の即時釈放を求める声が寄せられています。8月31日には学者やジャーナリスト、市民団体など市民の立場から事態を憂い、逮捕者の即時釈放を求める声明が出されました。以下紹介します。 
 
 
【声明】私たちは、この社会を住みやすくしたいと願う市民として、関西生コン労働運動・協同組合運動への弾圧をやめ、連帯労組関生支部委員長の武建一さんはじめ逮捕者全員の即時釈放を求めます 
 
 
 関西地区の生コンクリート産業労働者に対する弾圧が続いています。つい先日の2018年8月28日には、連帯労組関西地区生コン支部委員長の武建一さんが滋賀県警によって逮捕されました。逮捕理由は威力業務妨害というものです。関西の生コン関連労働者と生コン産業を形成する中小企業がつくる協同組合組織の逮捕者は、この時点でほぼ10人を数えるほどになります。さらに、警察当局は連日のように関連施設や関係者の自宅の家宅捜査を行っています。 
 連帯労組関西生コン支部は53年の歴史を持つ労働組合です。暴力が支配する生コン労働現場で搾取にあえぐ労働者の社会的地位の向上と生コン産業の民主化をめざし、大きな成果を上げてきました。生コン業界は巨大資本であるセメントメーカーとゼネコンが傘下の中小企業を支配し、そこを通して労働者を搾取するという重層的支配が貫かれています。関西生コン支部の闘いは、その重層的支配構造にくさびを打ち込み、労働者の解放と産業の民主化を実現してきています。 
 その具体的な形は、労働組合がけん引して業界内で圧倒的多数を占める中小企業の協同組合を組織し、労働組合と協同組合、労働者と中小企業経営者が手を結んで巨大資本を包囲し、労働者の社会的経済的地位の向上をめざすとともに産業の民主化ひいては社会の民主化を図るというものです。関生支部が50年を超える闘いの中で作り上げてきたこの闘いの思想と実践はいま、この国の労働運動、協同組合運動、市民運動に徐々に影響を及ぼしつつあり、国際的にも注目されています。なぜなら、ひと握りの富裕層がますます肥え太り、貧困層がますます広がり、より貧しくなっている世界の現実を変える具体的な方策を提示しているからです。今回逮捕された武建一さんは、この関西生コン型の運動を切り拓いてきたリーダーです。 
 こうした関西生コン型の運動が広がることは、この国の社会と経済に変革を迫り、為政者の存在基盤そのものを壊してしまうことになります。危機感にかられた為政者は、生コン関連大企業を全面に立て、ネオナチを標榜する右翼排外主義暴力集団に億を超える資金を流し込み、大企業とレイシスト暴力集団と警察権力が一体となっての攻撃を関西生コン支部にかけているのです。 
 また、労働組合の正当な権利行使である団体行動権の行使に対して「威力業務妨害」というレッテルを張り、逮捕を強行するやり方をここで許せば、民主主義や平和、環境や食の安全といった生活者として当然の考えを主張する市民の活動への弾圧にもつながることを深く憂慮せざるをえません。 
 私たちは、この社会をできるだけ生きやすく、人が人を押さえつけたり搾取したりしないしない社会にしたいと願う当たり前の市民として、関西生コンの労働運動、協同組合運動にかけられたこの攻撃、弾圧を座視することはできません。関西生コンへの弾圧をやめ、逮捕者を直ちに釈放することを求めます。以上、声明します。 
 
2018年8月31日 
 
呼びかけ人(2018年8月31日現在) 
(五十音順) 
 
生田あい(「変革のアソシエ」事務局長) 
伊藤 誠(経済学者) 
上原公子(元国立市長) 
大野和興(季刊『変革のアソシエ』編集長) 
河村哲二(大学教員) 
菅孝行(評論家) 
高野幹英(出版デザイナー) 
菅野芳秀(山形・百姓) 
下山 保(協同センター・東京) 
辛淑玉(のりこえねっと共同代表) 
田中史郎(大学教員) 
中村勝巳(大学非常勤講師) 
西沢江美子(福島「農と食」再生ネット代表) 
花輪伸一(沖縄意見広告運動全国世話人) 
半田正樹(元大学教員) 
平川 均(大学教員) 
三上 治(評論家) 
乱鬼龍(川柳作家) 
若森資朗(ソウル宣言の会代表) 


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