2018年09月28日13時31分掲載  無料記事
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農と食

グリホサートはミツバチの腸内細菌叢に悪影響を及ぼす 米テキサス大で解明

 米国テキサス大学の研究チームは9月24日、除草剤グリホサートがミツバチの腸内細菌に悪影響を及ぼすとする研究結果を米国科学アカデミー紀要(PNAS)に発表した。この結果、グリホサートに曝露したミツバチの免疫機能が低下して日和見病原体への感染の感受性が高くなり、致命的な感染症になりやすく、間接的に死につながる可能性があるという。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 ミツバチなどへの影響では、これまでネオニコチノイド系農薬が問題となりEUでは今年12月から3種類の農薬が屋外使用禁止となるが、サセックス大学のガウルソン教授は「ハチの問題のリストにグリホサートを加えなければならないようだ」と指摘。 
 
 この研究結果を受けて英国の環境NGOのバグライフは、「ハチへの直接的な毒性は低いとされていたが農薬使用が意図しなし結果を招く可能性が明らかになった」とコメント。 
 
 ・PNAS, 2018-9-24 
  Glyphosate perturbs the gut microbiota of honey bees 
  http://www.pnas.org/content/early/2018/09/18/1803880115 
 
 ・Guardian, 2018-9-24 
  Monsanto's global weedkiller harms honeybees, research finds 
  https://www.theguardian.com/environment/2018/sep/24/monsanto-weedkiller-harms-bees-research-finds?CMP=twt_gu 
 
 ・Sustainable Pulse, 2018-9-24 
  Glyphosate Linked to Bee Deaths in Shocking New University of Texas Study 
  https://sustainablepulse.com/2018/09/24/glyphosate-linked-to-bee-deaths-in-shocking-new-university-of-texas-study/#.W6le_vlpHmg 
 
 除草剤は、ミツバチなどの蜜源となる植物やチョウの食草を枯らし問題を指摘されていた。米国食品安全センター(Center for Food Safety)は、ラウンドアップを大量に使う遺伝子組み換え作物栽培の伸張に同期して、オオカバマダラの食草がほぼ消失した結果、この20年でオオカバマダラが9割減少したという報告書を公表している。今回のテキサス大学の研究結果は、グリホサートによる生物多様性への悪影響についてダメ押ししたものとなっている。 
 
 ・Center for Food Safety, 2015-2-5 
  Monsanto's Roundup Ready Crop System Puts Monarch Butterflies at Brink of Extinction 
  https://www.centerforfoodsafety.org/press-releases/3732/monsantos-roundup-ready-crop-system-puts-monarch-butterflies-at-brink-of-extinction 


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