2018年10月15日11時50分掲載
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アフリカ
【西サハラ最新情報】 地球に未だある植民地 平田伊都子
「地球にはまだ植民地があります」と言うと、「そんなもん、過去の話でしょ?」と、返しがきます。 日本では植民地問題など、歴史の教科書に納められているようです。 が、みんなが忘れている植民地問題を追及し続けているのが国連です。 「この地球から植民地を失くそう」と、1960年12月14日に国連総会決議1514<植民地独立付与宣言>を採択して以来、西サハラも脱植民地化の対象地とされてきました。 2018年10月12日、13日、、、、と、国連総会第4脱植民地化委員会では西サハラ非自治地域(=植民地)を中心に、地球に未だある植民地問題が討議されました。
(1)TICAD 7(東京国際アフリカ開発会議)準備会に参加した西サハラ外務大臣:
10月10日、「本当に、モロッコ代表団はTICAD7準備会をボイコットしたの?」と、筆者はワリド・サレク西サハラ難民政府外務大臣に尋ねた。「モロッコが国際会議を退散するのは今に始まった事ではない。我々西サハラ人がいるという理由で、国際会議をボイコットしてきた。1984年にOAU(AUの前身)を脱退して以来、毎度の無礼行動で、我々だけではなく国際社会もバカにしている、、」と、外務大臣は首をすくめた。「この分だとモロッコは、12月5日、6日に予定されている国連西サハラ・モロッコ・ラウンドテーブルの席も蹴とばすんじゃないか?」と、筆者が聞くと、「いや、この会議には出席する。もうモロッコは逃げられない」と、外務大臣杯ウィンクした。
「それよりも、日本がTICADを主催するのは、日本宿願の安保理常任理事国になるためアフリカ諸国の票が欲しいのだと、AUアフリカ連合は認識している。日本は相変わらずモロッコ一辺倒だが、AUもアフリカの多数の国も、SADRサハラ・アラブ民主共和国を認め、西サハラ人民の正当な民族自決権を尊重している。簡単な算数だ。日本独自のスタンスが求められている、ある意味で外交チャンスだ」と、外務大臣は言及した。
翌、10月11日、ワリド・モロッコサレク西サハラ難民政府外務大臣は、第4脱植民地化会議があるニューヨークの国連本部に飛んでいった。
(2)国連総会第4脱植民地化委員会で西サハラ植民地問題を討議:
2018年10月12日、13日と、国連総会会議場で未だ地球上に残っている植民地問題を、脱植民地化第4委員会が議長となって、討論した。討論というか?植民地と宗主国双方に選ばれた論客が夫々4分間、勝手に喋るだけ、、 3分経過の合図があり4分でマイクの電源はカットされる。議論の応酬がないから、焦点が定まらない。
この地球上で国連が植民地と規定している非自治地域は、約17か所ある。そのうち脱植民地化の対象になっているのは西サハラ以外に、ニューカレドニア、プエルトリコ、ジブラルタル、、などだ。今委員会で取り上げられた、ニューカレドニア(フランス領)は、11月に国連人民投票が予定されている。プエルトリコはアメリカからの独立を目指していて、キューバなどが独立運動支持の演説をした。ジブラルタルはその領有権を巡って、イギリスとスペイン両国が夫々、熱弁を振るった。
第4脱植民地化委員会は大部分の時間を、西サハラ問題に費やした。西サハラ側からは、シデイ・オマル西サハラ難民政府国連代表が、「非自治地域西サハラにおける国連脱植民地化がこれほど長びいているのは、モロッコが不法な占領を続けているからだ。西サハラ人民は国連が保障している民族自決権と独立を要求する。西サハラの早期脱植民地化は、国連の責任だ」と、基調演説をした。そして、アルジェリア、スペイン、フランス、イギリス、アメリカからの西サハラ友好団体が、モロッコ占領地・西サハラでのモロッコ占領当局による西サハラ住民に対する迫害などを訴えた。モロッコ側からは、モロッコ支援者やモロッコ占領を支持する評論家たちが、モロッコ国王陛下による南サハラ統治(西サハラのモロッコ式呼称)を讃えた。
(3)その時、国連インナーシテイ―プレスのリー記者は?:
国連定例記者会見では、入れ替わり立ち代わり、リー記者国連永久追放に関する質問が、相次いだ。10月10日にはクレイン記者が、「リー記者は記者証を没収されたが、国連入館も禁じられているのか?」と、質問した。10月11日にはアブリ記者が「リー記者は、ジャーナリストとしてだけではなく、一般的な国連入館すら許されていないとのことだが、、彼は館内にいたよ!会議に参加しようとしていたよ?」と、問いただした。国連事務総長報道官は、「リー記者は国連の建物の中に入ってはいけない」との答えを繰り返した。
リー記者当人から、「ハ~イ、いいニュースは未だ入ってこない。理由もなく私は国連から禁足を食らって、もう100日を過ぎた。 今日は、第4委員会の取材をゲートから試みるよ。外は雨だ、、」との、メールが入った。??リー記者はニクソン大統領を堕としたウオーターゲート事件を捩って、自らが暴こうとしている国連内部汚職事件を「国連ゲート」と名付けている。
因みにウォーターゲート事件とは、1972年6月17日にウオーターゲート・ビル内にあった民主党本部で起きた盗聴侵入事件に始まるアメリカの政治スキャンダルで、大統領弾劾が発議され1974年8月9日にリチャード・ニクソン大統領を辞任に追い込んだ。そのすべての経過を総称して「ウォーターゲート事件」という。事件が発生した6月17日朝からワシントンポスト紙のボブ・ウッドワード記者とカール・バーンスタイン記者が独自の調査を始め、事件に関する様々な事実を発表した。そのボブ・ウッドワードは2018年9月11日に、♠米大統領政権の暴露本<恐怖>を出版し、♠ゲートで第2の大統領弾劾を狙っている。
10月9日、アメリカ国連大使ニッキ―・ヘイリーが突然、2018年12月で国連大使を止めると発表しました。 国連定例記者会見はヘイリー辞任で盛り上がりました。 元々、国連事務総長と議長のための記者会見場なのに、派手な♠米政権に主役を取られています
11月6日の米中間選挙を受けて、国連定例記者会見の主役は誰が取るんでしょうね?
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Youtubeにアップした「人民投票」(Referendum)のご案内です。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之 2018年10月15日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
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