2018年11月10日10時19分掲載
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国際
トランプ政権のシリア戦略 カギは小さな基地
10月22日付のThe Washington Post紙は、「イランが中東で影響力を拡大していることに対する米国の対抗策を理解するには、シリア南部のアル・タンフの前哨基地を考慮する必要性がある」とするオピニオン記事を掲載した。
広大な砂漠に囲まれたシリア南部のアル・タンフの小さな基地は、「イスラム国(IS)」の広大な領域を後退させることを目的に設置されたものだった。
同紙によると、この基地は今、同地域へのイランによる侵略に対抗する米政府の計画において潜在的な中心地となっているという。同基地の重要性について、アメリカ中央軍を指揮するジョセフ・ヴォーテル将軍は「同基地に米国が存在することで、イランがシリアにおいて軍事的に優位に立ち、アサド政権が非支配下の地域を取り戻すことを困難としている」と語っている。
トランプ大統領は、レバノンからイエメン、シリアに至る地域の同盟国へのイランの支援に対抗していくことを、自身の中東戦略の中心に据えることを明言している。既にイランの関連企業に対して新たな経済制裁を科しており、前政権が進めていたイランとの核交渉からも離脱している。
同紙によると、アメリカは、ISの復活を防ぐことを主目的としながら、イラン軍が撤退するまでは、シリアにとどまる方針であるという。
〔ND米紙ウィークリーニュース第160号(November 5, 2018)〕
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