2018年12月14日17時52分掲載
無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201812141752295
検証・メディア
日本における検索エンジンによる「検閲」の実態 塩原俊彦(しおばらとしひこ):高知大学准教授
みなさんは、google、yahooといった検索エンジンを使う機会が多いと思います。検索後に表示される検索順位については、コンピューターを動かす計算手順であるアルゴリズムを各社が開発して表示しています。その意味で、検索結果は恣意的なものでしかありません。
それでも、意図的に検索しても表示されないようにしているとすれば、それは明らかな情報操作と言えると思います。ふだん、日本人は検索エンジンが露骨な情報操作をしていないと楽観しているかもしれません。わたしもそうでした。しかし、わたし自身の書いた文章がその対象になってみて、ふつふつと怒りのようなものを感じています。情報操作によって情報を遮断し、言論の自由を壟断しているとすれば、実に恐ろしい事態が待ち受けていることになるでしょう。
なにが起きたかを説明しましょう。
1. 12月9日、私の運営する「21世紀龍馬会」(www.21cryomakai.com)のサイトに、「若者よ もっと怒れ! eSIM問題で」という記事をアップロードしました。
2. 12月10日、自分のサイトが検索エンジンによって認識されているかをたしかめるために、googleを使って検索してみると、たしかに認知され、この記事に簡単にたどりつくことができました。
3. 12月11日、「若者よ 怒れ 加入者認識モジュール 連邦保安局(FSB) SIMカード eSIM」などの言葉を組み合わせてGoogle、Yahooなどの検索エンジンを使ってみると、明らかにこの記事へのアクセスができなくなっていることに気づきました。
おそらくGoogleもYahooも、わたしの記事が気に入らなかったのでしょうね。だからこそ、情報遮断という「検閲」行為をとったわけです。
興味深いのは、「dishonest abe 安倍晋三」で検索すると、GoogleでもYahooでもわたしの記事が上位三つに登場することです。どうやら2社ともに安倍晋三への批判には敏感ではないようです。しかし、わたしが批判したeSIMをめぐる批判には、過敏とも言える反応を示したことになります。
その意味で、おそらくわたしのアップロードした「若者よ もっと怒れ! eSIM問題で」という記事はかれらにとって相当にインパクトをもつものだということになります。そうであるならば、検索エンジンの「検閲」以上に、わたしの記事のほうがずっと重要なのかもしれません。
興味のある方はぜひ、わたしのサイトにアクセスしてみてください。ここでは、eSIM問題については割愛しておきます。「ちきゅう座」のサイトまでブロックされかねませんから。
わたしの記事をご覧になって賛同された方はどうか、このサイトを含めて、たくさんのSNSでこの問題を喧伝してください。そして、eSIM問題と検索エンジン問題が少しでも人口に膾炙することを願っています。事態はきわめて深刻なのです。
塩原俊彦(しおばらとしひこ):高知大学准教授
ちきゅう座から転載
Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。