2018年12月18日11時45分掲載
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検証・メディア
NHKと外郭会社と制作会社とフリーランサーは定期的に一堂に会して話し合いの機会を
今、放送局は外部プロダクションやその派遣社員、あるいはフリーの制作者の力なくてはノルマを果たしえません。しかし、そこには大きなヒエラルキーの問題があり、またコミュニケーションの問題があるように思われます。様々な事柄の伝達の方向性が一方向になりがちです。今はインターネット放送も視野に入れ、双方向性を視野に入れていると言われながらも、制作現場での指示体系が一方向なのは時代に逆行しているのです。
こうした問題を是正するために、半年に一回くらいの頻度で、NHK、外郭会社、制作会社、フリーの制作者が一堂に会して、話し合える場を設けたらどうでしょうか。政府からの圧力とどう闘うか、受信料をどう理解していただくか、どんなコンテンツを作るべきか。こうしたこともNHKの幹部だけで決めて一方的に「下部体系」に指示するだけでなく、もっと複眼で作っていくべきではないか、と私は思うのです。
NHKはおそらく日本の放送局の中でもっとも官僚的な組織です。局内政治で多くの外部の人々の運命を翻弄するべきではありません。さらにまたNHKの人々にとっても、もし彼らが信念を持つ編成プランなら、それを多くの制作者に直接、言葉で訴える場にもなるはずです。制作に携わる外部の人々が理解できない編成プランであれば視聴者を納得させられるわけはないはずです。ですから、そこで必要なコンテンツは何か、それに経費をいくら充てるべきかをみんなで議論して、一度もまれる、という作業があってもいいのではないでしょうか。
実はこう書いていながら、本当のところは、これはNHK内部の人にとってこそ最も大切な場になりうると思えます。というのは社員1万人を擁するNHKは「隣は何をする人ぞ」という完全な蛸壺社会になっていると思われるからです。政権への忖度や首相との会食など、視聴者がたびたび指摘するような問題を抱えていても、内部の人たちは恐らく目立つのを恐れて正面から話し合えないのです。そうした風通しの悪さを改革するには外部の力を、単なる手足や使い走りとしてではなく、真の意味で導入することが必要です。
村上良太
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