2019年02月27日22時55分掲載
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環境
原発・自然エネルギーに関する公開討論会について 原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟 会長 吉原 毅
原発・自然エネルギーに関する公開討論会について
声 明
経団連の中西会長は、本年年初の記者会見において「国民が反対する原発をエネルギー業者や日立といった設備納入業者が無理矢理つくるということは民主国家ではない」「国民の意見を踏まえたエネルギー政策の再構築について真剣に一般公開の討論をするべきだと思う」と発言されました。
そのため私たちは、1月11日、経団連に出向き、経団連の幹部の方々と私たち原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟(原自連)の役員による公開討論会の開催を書面で要請しました。
それに対し、1月29日、経団連事務総長より、「エネルギー問題について現在『基本的考え方』を取りまとめ中であり、本年4、5月頃に意見を固め公表する予定であり、先ずは、それを見てもらいたい」との趣旨の回答が寄せられました。
それを踏まえ、私たちは2月13日、「基本的考え方」の取りまとめに先立つ2、3月に意見交換の場を設け、取りまとめの後、公開討論会を実施するよう、新たな要請書を提示しました。
私たちの再要請に対し、2月15日、経団連広報本部より、現在4月を目途に電力政策に関する提言を取りまとめているところであり、国民の理解を得るための広報のあり方についても検討中であるので、現時点において申し入れについては応じられない、との書面による回答がありました。
思うに、経済産業省からの派遣職員の影響下にあると言われる経団連内部だけの取りまとめでは、「提言」には経済産業省の考えそのものが示され、世論とかけ離れた内容になることが予想されます。
本来、電力サービス事業は民間事業であったものです。それを政府が「はじめに原発ありき」という方針で経済原則を歪めて、国土消滅という取り返しのつかないリスクを抱え、全く採算が合わない高コストの原発を無理矢理拡大してきたことが、そもそもの間違いであります。
また、原発関連企業としては、国民・消費者の反対を押し切って原発を推進すれば、企業ブランドは傷つき、自社の株価下落や商品の不買運動のリスクも考慮せざるを得ません。
そうした苦悩がうかがえる民間企業経営者と国民・消費者の民意を体現する原自連が、我が国の電力とエネルギーの未来に関わる国策のあり方について、公開の場で本音で話し合い、方向付けを行うべきであります。
エネルギー政策の再構築について国民の判断を求めるためにも、経団連として、会長はじめ企業経営者が参加する公開討論会の開催に早急に応じていただくことを、引き続き強く期待するものであります。
平成31年2月26日
原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟
会長 吉原 毅
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