2019年03月03日19時43分掲載
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沖縄/日米安保
辺野古新基地建設を反対する声明 〜 子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会
わたしたちは、2012年に自民党が「日本国憲法改正草案」を提示して以来、「基本的人権の不可侵」「民主主義」「法の下の平等」「個人の尊重」「地方自治」そして「恒久平和主義」を柱とする日本国憲法の危機と受け止め、今日まで学習を進めてきた。
そのような中で敗戦後米国に占領され、本土復帰後も米軍に「占領」されつづけ、現在もまた「沖縄の基地負担の軽減」「抑止力の維持」の名を借りて辺野古新基地建設が進められるという「日本の負の遺産」のほぼすべてを押し付けられてきている沖縄の存在にあらためて気付き、何度も話し合いをした。
2月24日「辺野古埋め立て」の是非を問う沖縄県民投票で52%の県民が投票、うち反対は実に7割を超え、県知事が結果を尊重すべきとされる投票有資格者の4分の1を遥かに超えた。これまで以上に明確に沖縄県民の意思が表示されたのである。
1945年の敗戦前、沖縄住民は日本政府による「本土決戦を遅らせる捨て石」とされ、「徹底抗戦せよ」との司令の下、アメリカ軍の激しい攻撃と日本軍の行為により、住民9万4千人以上、県民4人のうち一人が犠牲となった。中国東北部(「旧満州)と同様、この日本軍の行動は「軍隊は国民を守らない」という現実を明確に示した。
これらの事実を含め、14年間にわたる悲惨な戦争の体験から、日本国憲法は、
「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意」
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」
と前文に明記した。
平和的生存権は、あらゆる人権の基盤となる人権である。そして第9条で「戦争放棄」「軍隊・戦力不保持」を定め、恒久平和主義を具体化したのである。
それにも拘らず、沖縄はアメリカの占領中を含め、「恒久平和主義」を掲げる日本国憲法から事実上「排除」され、日本本土の約0.6%しかない沖縄県に全国の米軍専用施設の約70.6%を集中させるなど、米軍基地の負担を押し付けられ続けている。
基地機能の強化となる「辺野古新基地」建設はそれを象徴している。
一連の事実は、法の下の平等原則に反するものである。多くの沖縄県民は、これ以上の基地負担には耐えられないとの思いで辺野古新基地建設に反対してきた。そして知事選挙などの機会を通じて辺野古新基地建設反対の民意を繰り返し示してきた。
しかるに国は、県知事の埋め立て承認の取消しにつき(私人のための制度である)行政不服審査と執行停止を求めるなど法制度の濫用含め、なりふりかまわず基地建設を押し進めている。
2018年12月14日に辺野古湾岸部で土砂投入を強行した際、安倍首相は(その事実はないにもかかわらず)
「土砂を投入するにあたって、あそこのサンゴについては、これは移しております」
と国会で虚偽の答弁をしている。虚偽答弁ではないかと追及されたにもかかわらず、本年1月28日には大浦湾側のN4護岸の建設に着手するという無法ぶりである。
一連の言動は、まさに「地方自治」も「民主主義」も踏みにじるもので、明確に立憲主義に反していると言わねばならない。
こうした環境破壊も含め、辺野古新基地建設は「基本的人権」「地方自治」といった日本国憲法の根幹を脅かすだけでなく、「集団的自衛権」行使を可能にした法令が存する現在、「恒久平和主義」「戦争放棄」を崩壊させる危険をもたらすものである。
わたしたちは、平和と人権の危機を深く憂慮する立場から、日本政府が民主主義を無視して強行する辺野古新基地建設に強く抗議し即時建設中止を求める。
そして、住民自治、団体自治という日本国憲法が保障する地方自治の本旨に基づき、
「一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない」(日本国憲法95条)
の趣旨も含め、日本政府は今回の沖縄県民投票の結果を尊重し、辺野古新基地建設の中止をすべきである。
2019年2月25日
子どもの育ちと法制度を考える21世紀市民の会
(「子どもと法・21」)
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