2019年03月11日04時32分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  3月8日は何の日?3月11日は?!  平田伊都子

 「今日は何の日?」と、国連記者会見の初めに国連事務総長報道官が、記者たちに聞きます。 その出来事を永遠に忘れないようにと、国連は国際デーを設けています。 3月8日、報道官は、<今日は女性の日です>と、16分55秒という短い記者会見の冒頭で、述べました。 
「3月11日は?」東日本大震災の日です。 大震災から2か月後に仙台の大川小学校を訪れた後、ベイサット西サハラ難民特別全権大使は、石巻ふれあいセンターで暮らす被災者の方々と、<難民と避難民>の交流をしました。 <国際津波の日>は、2015年12月の国連総会で、11月5日と決められました。 
 
(1)気になる国連報道官の西サハラ無視: 
 2019年3月5日の国連記者会見で、記者の一人が「近頃、西サハラの報告がないわね?」と促がすと、国連事務総長報道官ステファンは、「<W>の項に分類してるんで、時間がかかるんだ、、」と、わざとらしくファイルを広げ、「個人特使ケーラー氏が3月後半にスイスで予定している第2円卓会議に向け、2月から3月始めにかけて個別協議をしてる、、オヤ!ロスさん、あんた居たのね!!」と、西サハラに関する回答もそこそこに、他の記者に質問チャンスを振った。西サハラを<W>と言ったり、このフランス人報道官はよほど西サハラがお嫌いなのか?それともモロッコの圧力がかかったのか? 
 この日、3月5日、モロッコ国連大使ヒラ―ルが国連事務総長と安保理に、「EUとモロッコの漁業協定が、EU閣議で承認された」という旨の書簡を送った。西サハラ領海はモロッコ領海に属すると、アピールしている。1月にもモロッコ国連大使は、「モロッコ自治領(西サハラ)というテーマ以外の提案には、モロッコは一切、応じない」と、主張している。 
 3月6日、MWN(モロッコ世界ニュース)が「ポリサリオ西サハラ代表とUN は両当事者直接交渉に焦点を当てている。ポリサリオは民族自決権を、モロッコは地方自治権を固執している」と説明した。ル・360(モロッコ・ネットニュース)が、「ホルスト・ケーラー氏は3月21日と22日にジュネーブで、第2回円卓会議を開くらしい。正式に国連は未だ発表していない」と報道した。国連安保理は4月1日にMINURSO(国連西サハラ授眠投票監視団)の検討を、4月9日と10日には、西サハラ紛争とMINUSO(国連西サハラ授眠投票監視団)の協議を予定している。 
 
(2)3月8日は<国際女性の日>: 
 3月8日の<国際女性の日>は、1904年3月8日にアメリカの女性たちが参政権を求めてデモを行ったことを記憶に残すため、国連総会によって1975年に制定された。 
 2019年3月8日、モロッコの首都ラバトで、女性の人権を求める自発的なデモ隊が、禁じられている座り込みをやった。MAHR(モロッコ人権団体)を始めとする12の組織が、この座り込みデモを援護した。<国際女性の日>に向けて、UAF(女性行動連盟)は、「世界経済フォーラムのジェンダーギャップ(男女格差)指数によると、モロッコは調査対象国149か国のうち137番目で最悪状況にある」と、警告を発した。そしてUAF(女性行動連盟)は「男性の暴力、貧困による飢餓状況、女性を擁護する法の欠如」を挙げ、具体的には、「モロッコ女性の2/3が被害を受けている家庭内暴力を取り締まる法律の制定、幼児結婚や一夫多妻制度などを廃止し、女性の男性と同等な相続権(現法では、女性は男性の半分)を認めるなどを盛り込んで、家庭法を改善すること」など、早急な対策を求めた。モロッコには、結婚に関して花嫁に処女証明書を求める風習があるとか?花婿には童貞証明書が求められるのかな?? 
 一方、SPS(サハラ・プレス・サービス)によると、西サハラ難民キャンプで2月末に国際女性ホーラムが3日間、開催されたという。Adala UK が、「3月8日の<国際女性の日>にはモロッコ占領地・西サハラで、モロッコ占領当局による迫害にも拘わらず、この日を祝う集いが催された。これまで、平和デモに参加した西サハラ女性の多数が逮捕され、暴行され拷問され収監されてきた。数百の女性が負傷し、入院を余儀なくされている」と、訴えた。 
Adala UKは、西サハラ女性の勇気を称え、世界の女性活動家たちにエールを送った。 
(Adala UKは、ロンドンを拠点にしている西サハラ人権支援団体) 
 
 
(3)モロッコ占領地・西サハラでクランモンタンフォーラム開催: 
 3月7日、CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)「第5回クラン・モンタン・フォーラムが、ダハラ(モロッコ)で2019年3月14日から17日にかけて開催される。このフォーラムは、力強く近代的なアフリカ経済構築のための、若者に向けた討論を提案する。重要なテーマとして、安全なエネルギー、環境への挑戦、デジタル経済、公共保健、持続可能な農業、若者の企業建立、女性のリーダーシップ、などが討論され、最終日に記者会見が行われる。首脳陣、閣僚、議員、経済界のリーダーさらに地域や世界の各組織など、世界中から参加する」と、大宣伝した。 
 クランモンタンは、スイスのアルプス・リゾート地で、そこで開催されるフォラムのことを指す。2015年からモロッコ占領地・西サハラのダハラで行われている。この派手なイベントは、モロッコによる西サハラの占領支配を、既成事実化しようとするものだ。西サハラを非自治地域、すなわち植民地と規定する国連は、当該地域での他国による生産経済活動を禁止している。つまり、クラン・モンタン・フォーラムは国連決議や国際法に違反している。 
 モロッコ占領地・西サハラのダハラ港町で行われるクランモンタンに、地元ダハラの西サハラ住民は猛烈に反発している。戒厳令下での反対デモは、犠牲者を出すだけで効果がないと判断したサハラ住民たちは、世界人権大会が行われているジュネーブで反対デモと国際フォーラムを開き、国際社会に訴える計画をしている。 
 
 ジェンダーギャップ指数(世界経済フォーラム)とは、男女格差を著すものらしいです。 
 それによると、日本は毎年毎年、G7のうちでダントツの最下位だとか?、、 日本では、未だに男女の格差が厳然としてあるのです。 日本がG7の一員だとか、先進国の仲間であるとか、恥ずかしいから、そんなことを口に出すのは止めましょう、、、 
 
 
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年3月11日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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