2019年03月21日19時39分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201903211939264

政治

野党完全勝利までの道のり   南田望洋

  新聞やNHKは未だに支持政党調査で自民党の一強をことあるごとに伝えているが、野党はすでに勝機を十分に得ている。それを完全勝利につなげるためには何が必要なのか。勝利を得るためには有権者が広範に野党が勝つ、と思うことである。つまり、野党勝利の映像を頭にイメージさせることが大切だ。 
 
  オバマ大統領が2008年に大統領選で勝利した時、多くの黒人有権者や有色人種が涙したことを忘れてはいけない。それはアメリカの歴史を振り返れば奇跡にも思えただろう。しかし、劇映画ではすでに優秀な黒人大統領が登場していて、視聴者は黒人大統領を迎えるイメージができていたのだ。 
 
  不可能と思われた大西洋航海を経てアメリカ大陸を発見したコロンブスは他の冒険家と何が違っていたか。研究者の増田四郎によれば数多くの冒険家の中でコロンブスだけが明瞭に大陸を発見した自分たちのイメージを描けていたのだと言う。もっとも彼はそれをインドだと思っていたのだったが。 
 
  これから選挙にかけて、いかに大衆の頭脳の中に野党が勝利する明確なビジュアルイメージを抱かせることができるか。野党の勝利はそこにかかっている。そこには野党が勝った時、どのように自分たちの現状を変えることができるのか、説得力のある力強い映像が必要なのだ。オバマは「Yes, we can」と語り、アメリカの大衆はその声を信じることができた。その時、近年低迷していた大統領選の投票率がぐっとその年に上昇したのだった。 
 
  自民党には今はどうか知らないが、かつては著名な広告代理店がイメージ戦略を手掛けていると何かで読んだ記憶がある。自民党はイメージ戦略にたけている。多くの有権者に安倍首相についていけば間違いない、というイメージを打ち出してきた。そして町のあちこちに安倍首相の写真が貼られている。こうした自民党のイメージ戦略に対抗するキャンペーンを張れるか、そこが大切だろう。 
 
  野党党首のラーメンを食べる政治家、という庶民性のイメージも確かにいいが、野党が勝つためにはそれだけでは不可能だ。この国でラーメン屋やレストランでラーメンいっぱいですら食べられない人は少なくないのだ。 
 
 
南田望洋 
 
 
 
■野党完全勝利までの道のり その2  立憲民主党の枝野党首が統一地方選に向けて語った基本方針   南田望洋 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201903222051265 
 
■野党完全勝利までの道のり その3 なぜ安倍首相は好かれるのか? 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201903232315256 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。