2019年03月29日17時51分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  南部アフリカ諸国の、西サハラ支援大会  平田伊都子

 「頼まれ質問をしたいんだけど、、西サハラ問題だ」と、3月27日の国連定例記者会見で、一人の記者が手を挙げました。 国連事務総長報道官ステファンは、すんなりこの質問を受け入れました。 国連報道室では、代理質問ありなんですか? それとも、あらかじめ話がついていた?それとも、ステファンのやらせ問答??「勘ぐり」を生業とする筆者は、色々と想像を巡らせました。 
 それにしても昨今の国連報道室は脂粉がフンプン真っ赤なルージュ、胸をはだけた女性記者たちがパリジャン・ステファンの気を引こうと、競ってます。 パリのキャバレー・ムーランルージュもどきの、楽しい所となってきました。 
 
(1)マラケシュ会議とは、なんだったんだ?: 
 頼まれ記者は、「昨日(3月25日)、マラケシュにアフリカ37か国の閣僚が集まった。彼らは、西サハラ問題に関する国連の作業を支持する宣言を出した。事務総長の反応は?」と、頼まれ質問を読み上げた。筆者はすぐにCORCAS(モロッコ王室サハラ問題諮問評議会)のアーカイブを検索した。確かに約30か国から会議に参加したが、閣僚は主催するモロッコ外務大臣ナセル・ブリタと、モロッコ同様にフランス植民地だったセネガルぐらいで、モロッコ招待客の大部分は代理人たちだった。日本のTICAD7が二の舞を演じることのないよう、切に祈っております。 
 頼まれ質問に頼まれ回答者は、「さてと、事務総長の反応は、個人特使ホルスト・ケーラー氏の仕事ぶりと努力の成果にある。ご存知のように、個人特使は関係者との討議を終えたばかりだ。国連安保理がケーラー氏に一任したのだから、全ての安保理理事国が彼を支援するものと、我々は、期待している」と、なんだか、ずれた返事をした。予め用意していたのかな??こんなやらせ問答は国連経費の浪費と、質疑時間の妨害になるだけです。 
 
(2)SADC(南部アフリカ開発共同体)の西サハラ支援大会: 
 2019年3月25日と26日、<西サハラ支援SADC大会>が、南アフリカの首都・プレトリアで開催された。西サハラを支援する大きなアフリカのうねりを妨害しようと、振り回した<モロッコ・マラケシュ閣僚会議>は、空振りに終わった。 
 SADC(南部アフリカ開発共同体)の加盟国と同盟国による西サハラ支援大会は、全会一致で<アフリカ最後の植民地>SADR(サハラ・アラブ民主共和国)の脱植民地化支援を決議した。南アフリカを始め南部アフリカ諸国は、血を流して植民支配者ヨーロッパ諸国から独立を勝ち取った。43年間、植民地支配国モロッコと戦い続けている西サハラに、限りない声援と支援を送り続けている。昔の毛虫の身を忘れた<アフリカ最後の宗主国・モロッコ>は、ヨーロッパの蝶とでも勘違いしているのだろうか?どう頑張っても、モロッコ蛾はヨーロッパ蝶にはなれない。下手な画策は止めて、神妙に国連決議に従い、国連西サハラ人民投票に参加しよう、、 
 国家指導者をSADC(南部アフリカ開発共同体)大会に送った国は、アンゴラ、ボツワナ、コンゴ、エスワティニ、レソト、マラウィ、モリシャス、モザンビーク、ナムビア、セイシェル、南アフリカ、タンザニア、ザンビア、ジンバブエ、以上14が南部アフリカ諸国で、アルジェリア、キューバ、東テイモール、ドイツ、ニカラグア、ナイジェリア、ケニヤ、SADR、サオトメ&プリンシペ、ウガンダ、ボリビア、ベネズエラなどが指導者を送った。 
 SADC(南部アフリカ開発共同体)に参加したSADP(サハラ・アラブ民主共和国)の指導者たちは、ブラヒム・ガリ大統領、ワリド・サレク外務大臣、モハンマド・ベイサット外務補佐官、サラマ・バシール労働者連合議長、ムライ・モハンマド学生連盟会長、フファテイマ・メハディ女性連合会長、アブダティ・ブレイカ大統領顧問などだった。 
 そして最後に、アフリカ最後の植民地・西サハラの脱植民地化と、西サハラ民族自決権の行使となる<国連西サハラ人民投票>の早期実現に向け、SADC(南部アフリカ開発共同体)は最大限の尽力を尽くすことを誓った。かくして、2日にわたるSADC(南部アフリカ開発共同体)西サハラ支援大会は、拍手とザグラダと呼ばれる女性の歓声で終えた。 
 
(3)アルジェリア政変: 
 政情不安が続くアルジェリアからは、副首相兼外務大臣のラムタネ・ラマムレが参加した。ラマムネ外務大臣は3月21日と22日にスイスで開催された国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラー主催の第2回ラウンドテーブルにも出席している。「SADC(南部アフリカ開発共同体)の今大会は、国連事務総長西サハラ個人特使ホルスト・ケーラーがモロッコとポリサリオ西サハラ代表という両当事者の交渉を再開させたこの時期に開催され、非常に有意義でタイムリーだった。両当事者が、国連西サハラ人民投票による民族自決権行使に向け、西サハラ人民の権利が公正で持続性ある形で実現されることを信じている」と、語った。そして、「モロッコが政治的方針を欠いているのは、残念だ」と、付け加えた。 
 さて、アルジェリアの政治方針はどうなったのか? 
 3月27日のBBC英国TVは、「アルジェリアの支配政党FLN(アルジェリア民族解放戦線)が、療養中の大統領アブデルアジズ・ブーテフリカ氏は職務に不適切だと宣言した。3月26日、国軍のトップであるアハマド・ガエド・サラ陸軍中将がTVで、<憲法に従って大統領を執務室から外すべきだ>と語った。FLNの宣言はその翌日に行われた」と、報道した。 
 毎週金曜日に行われてきた人民の抗議デモは、この決定にどう応えていくのか? 
 TICAD7を目前にして、エネルギー大国アルジェリアの動向は、日本としても目を離せない。 
 
 「政治的方針の欠如」と非難されたナセル・ブリタ・モロッコ外務大臣は、ある時は国連反対、ある時は国連支持、、全く腰が据わっていません。 「レファレンダム(国連西サハラ人民投票)とか、民族自決権とか、独立とか、そんなイデオロギーに凝り固まった国連用語から、アフリカ諸国は逃れなければならない」と、折に触れモロッコ外務大臣ブリタは繰り返しておりました。 が、ホルスト・ケーラー国連事務総長個人特使のラウンドテーブルが軌道に乗ってくると、「国連の指導方針に従わなければならない」と、言い出し始めました。180度、外交政策を変えれるのは、政治姿勢も理念も哲学もないからです。 
 「得になれば、右も左も旦那様」、、 無節操でないと、王様の臣下は務まらないのかもしれません。 
 
 
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いいたします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年3月29日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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