2019年04月05日15時02分掲載  無料記事
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検証・メディア

アルジェリアの大衆デモと報道の自由を求める記者たちのデモ 

  アルジェリアでなぜ新聞やラジオ、テレビなどの報道に携わっている記者たちがデモをしているのか。しかも、彼らのデモは、大衆デモの原因となっていた5選を目指していたブーテフリカ大統領が辞任しても続けられている模様です。そこには検閲の問題が関係していることは昨日書きましたが、さらにニューヨークにあるCPJ(Committee to Protect Journalists、ジャーナリストを守る委員会)という組織の人が、アルジェリアの報道関係者のデモについてブログを発表していました。タイトルは、”Barred from covering unrest, Algerian journalists hold own protests”(デモを報じるのを禁止されたため、ジャーナリストたちは自らデモを行う)というものです。 
https://cpj.org/blog/2019/03/algeria-protests-censored-journalist-bouteflika-lynda-abbou.php 
 ”When protests swept Algeria last month over President Abdelaziz Bouteflika's now-abandoned plans to seek a fifth term in office, many of the country's mainstream television and radio stations were silent. Frustrated by censorship and confronted by protesters demanding to know why the press appeared to be ignoring them, Algerian journalists began staging their own demonstrations.・・・” 
 
 「先月、アルジェリアを席巻した抗議デモはブーテフリカの五期目に反対するものでこれ自体はすでに取り下げられたのだが、その時、アルジェリアの主要なテレビやラジオは抗議デモを報じなかった。検閲にうんざりしたことと、さらには抗議デモの人々からなぜこれを報道しないんだと訊ねられた結果、ジャーナリストたちは自らデモを始めたのだった・・・」 
 
  このブログはアルジェリアの記者数人にインタビューして書かれているのですが、最初の大衆のデモがアルジェリア各地で2月22日に起きたとき、主要なラジオやテレビなどは全然報じなかったそうです。そうした中、ラジオ局(チャンネル3)のMeriem Abdouという著名な編集長が検閲を拒否して辞任するに至ったということです。そのことがジャーナリストたちの心に火をつけたようです。ですから、このジャーナリストたちの抗議デモは放送局や新聞社の企業の境を越えたジャーナリストたちの連帯が核になっていると言えそうです。Meriem Abdouさんが自分のソーシャルメディアの中で、私たちの仕事は誇りのあるものだと語っていたのが印象的です。 
 
 
※さて、ここで出てきますCPJ(Committee to Protect Journalists、ジャーナリストを守る委員会)という組織ですが、そのウェブサイトを見ると、世界40地域にスタッフがいて、報道の自由を擁護するために記者を守る活動を繰り広げていると言うことです。そして、もし不当な弾圧等が見つかったら、それを阻止する活動を取るのだそうです。すでに30年の活動実績があるということです。 
https://cpj.org/about/ 


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