2019年04月07日23時37分掲載  無料記事
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検証・メディア

アルジェリアの放送局を揺さぶる民衆の力革命 政府の検閲に対する記者たちの闘い

  アルジェリアでは20年間政権の座にあったブーテフリカ大統領の五期目を民衆のデモが阻止することになった。民衆の要求を受け入れる形で4月2日、病で執務が十分にできないブーテフリカ大統領は辞職した。国民に対して許しを乞うた。これをフィリピンの例に倣って民衆の力革命と言ってもいいだろう。 
 
  だが、これで終わりではない。長期政権はテレビ局やラジオ局、大手新聞とかなりな程度、癒着している。だからこそ、アルジェリアでは民衆の力革命の最中に記者たち自らが立ち上がる形で、国家が検閲する報道に対してデモが起きた。大統領の五期目を阻止するために民衆が起こしたデモは2月22日だったが、最初はまったく報道されなかった。初めてアルジェリアのテレビがデモを報じたのは現地報道によると、3月1日金曜日のことである。およそ1週間の間、メディアと政権では激しい確執があったことが想像される。実際、報道をめぐってラジオ3では女性編集長Meriem Abdouが政権の意を組む編集方針に反対して辞任するに至った。 
 
  こうしたことに記者たちが新聞、テレビ、ラジオの垣根を越えて連帯して検閲に抗議をしている。アルジェリアの放送局や新聞社がどのように統制されてきたのか、今後の検証や事実の掘り起こしが求められる。今、現地のアルジェリア人の記者たちの間ではブーテフリカ大統領の辞職に伴い、これまで自由な報道を禁じてきた責任者たちを追い出せ、という声が出ている。「全員出ていけ、というのは言葉通り全員だ」という激しい言葉を掲げたプラカードもあるのだ。 


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