2019年04月11日13時10分掲載  無料記事
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政治

安倍政権と新元号騒ぎ 根本行雄

 安倍晋三首相は4月1日、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムで自身の記者会見をライブ配信させ、「歴史上初めて国書を典拠に元号を決定した」とアピールをした。夜も、NHKやテレビ朝日のニュース番組に生出演した。この日のニュースや報道番組は元号改元一色となった。 「安倍政権は新元号発表を政権浮揚に利用したと言わざるをえない」という声があがっている。共同通信社の世論調査で内閣支持率が前月から10ポイント近く跳ね上がった。多くの国民は「戦争のできる国」にするために 安倍政権が改憲をすすめていることを忘れているようだ。そういう国民に対して、「ボーと生きてるんじゃないよ」と言いたい。 
 
 
 毎日新聞(2019年4月2日)は、次のように伝えている。 
 
 「平成」に代わる新たな元号は「令和」と決まった。改元1カ月前の1日、歴史的な発表の瞬間を、日本中の人たちが、テレビの前で、スマートフォンで見届けた。「響きがいい」「平和な時代を」。昭和天皇逝去に伴う改元で自粛ムードだった30年前とは打って変わり、列島は明るい雰囲気に包まれた。 
 
 安倍晋三首相は4月1日、ツイッターやフェイスブック、インスタグラムで自身の記者会見をライブ配信させ、「歴史上初めて国書を典拠に元号を決定した」とアピールをした。夜も、NHKやテレビ朝日のニュース番組に生出演した。この動きは、明らかに、安倍政権が新元号発表を政権浮揚に利用したものであり、国民のうけを狙ったパフォーマンスである。 
 
 2016年のリオデジャネイロのオリンピックの閉会式で、「マリオ」になったり、2013年、長嶋茂雄、松井秀喜両氏に国民栄誉賞が贈られたときの始球式で安倍首相が球審を務めたりなど、このようなパフォーマンスは安倍晋三首相のいつものやり口だ。 
 
 安倍政権が憲法を順守せず、国会を軽視し、押し進めている政治とは、日本を「戦争のできる国」にするための憲法改正(改憲)である。国民の多くは、このことを気づかないでいるのか、忘れているのか。新元号騒ぎで、花見のようにうかれているようだ。 
 
 
 筆者は元号の使用には反対であり、廃止すべきだと考えている。ところで、ここで、新元号騒ぎでうかれている人びとによく考えてもらいたいものだと考えている。 
 
 みなさん、日本が「戦争のできる国」になることは、新しい元号である「令和」にふさわしいものだろうか。「令和」の「和」は「平和」の「和」になるだろうか。 
 
 
 世論調査の結果 
 
 
 
 共同通信社が4月1日、2日に実施した全国緊急電話世論調査によると、政府が「平成」に代わる新元号として公表した「令和」について73.7%が「好感が持てる」と回答したという。「好感が持てない」は15.7%だった。普段の生活や仕事で主に使いたいのは新元号か西暦かを尋ねたところ、両方が45.1%で最多となった。西暦34.0%、新元号18.8%の順だった。内閣支持率は52.8%で、3月の前回調査比9.5ポイントの大幅に増加した。不支持は8.5ポイント減の32.4%となった。 
 
 安倍政権が国民のうけを狙ったパフォーマンスは成功したようだ。 
 
 
 □ 「ボーと生きてるんじゃないよ 
 
 安倍政権はいつものように、国民のうけを狙ったパフォーマンスで政権浮揚をはかろうとした。国民が『これは安倍政権が仕掛けたショーなんだ』と気付かないと、政府への監視の目がゆるみ、安倍政権の意図に国民がずるずる引きずられてしまうことになる。そうなれば、いよいよ、安倍政権によって「戦争のできる国」にするための改憲が押し進められていくことになることは明らかだ。 
 
 多くの国民は「戦争のできる国」にするために 安倍政権が改憲をすすめていることを忘れているようだ。そういう国民に対して、「ボーと生きてるんじゃないよ」と言いたい。 


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