2019年05月08日21時44分掲載
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コラム
あえて無知をさらすことで支持率を上げる安倍首相
安倍首相がまた台本を読み間違えたことが話題になっている。今回は左翼や知識人だけでなく、右翼も怒っていると言う。というのも、退位礼正殿の儀で安倍首相が「お二人がすこやかにあらせられることを願っていません」と読み間違えてしまったからだ。本来なら「やみません」なのだが、「いません」では意味がまったく逆になってしまう。
しかし、今までにも述べてきたのだが、安倍首相がいくら漢字が読めなくても、それで支持率が下がったことはなかった。むしろ、安倍首相の無教養さを左翼や知識人が責めることで、逆に、そんな安倍首相に同情する人が多く存在するのではないか、と思えるのだ。というのも、今この国では漢字があまり読めない人が多くなっているし、書けない人はますます多くなっているのだ。安倍首相に対する軽蔑の言葉は、そのまま漢字の読めない人々に突き刺さっていく。
だから、漢字を読み間違えることは支持率を揚げる1つの手法というくらいに安倍首相は思っているかもしれない。もし、本当に漢字の読み間違えで支持率が下がるのであれば、安倍首相があまり勉強が好きでなかったとしても、さすがに漢字を勉強しただろうからだ。それにしても親も祖父も東大出の一家で、これだけ漢字が読めないのは一種の才能と言って差し支えあるまい。アメリカのジョージ・W・ブッシュ元大統領も、フランスのサルコジ元大統領もあまり頭のいい大統領と思われていなかったし、むしろ無教養の象徴と言われていた。しかし、そんな彼らが行政府のトップに立てたのは庶民の中に、インテリを疎ましく思う傾向があるからだろう。「安倍首相を見て見ろ、漢字なんかろくに読めなくても、東大出の官僚を見事に使いこなしているじゃないか」と。
※首相官邸はのちに「退位礼正殿の儀」で安倍首相に漢字の読み間違えはなかったと伝えている。
「閣議決定された国民代表の辞の当該部分は、「・・(前略)・・。天皇皇后両陛下には、末永くお健やかであらせられますことを願って『や』みません」とひらがなです。」
南田望洋
■野党完全勝利までの道のり その3 なぜ安倍首相は好かれるのか? 南田望洋
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