2019年05月24日15時22分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201905241522345

TPP/脱グローバリゼーション

ファーウェイ 貿易戦争のしわ寄せは労働者に

 ファーウェイですが、5月24日の東京新聞がわかりやすい解説を掲載しています。ファーウェイはこの事態を見越して、昨年から在庫を買い増していたので、ファーウェイに部品提供していた日本企業も、その分の儲けがあるので、すぐには減益にはならないと思いますが、影響は大きいかと思います。ファーウェイは米企業に頼らないように独自で技術開発を急いでいますが、会長の任氏いわく、制裁はもう少し先になるかと思っており、開発の速度が間に合わない、ということを漏らしているようです。(稲垣豊) 
 
【経済Q&A】ファーウェイ禁輸の影響拡大 日本製品、販売減の恐れ 
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/economic_confe/list/CK2019052402000218.html 
 
 ポンペオ国務長官が、ファーウェイはうそつき、実際には中国政府の支援を受けている、アメリカの情報が盗まれている、とか吠えてますが、自分たちがいままでそういうことをやってきたので、ほかの国が同じ技術を開発したら、きっとそいつらも同じ事やってる、と思うんですね。他のことでもそうですが、アメリカが批判することは、だいたい自分たちでもやってることですね。わかりやすい。以下はロイター電。 
◎ファーウェイ排除加速へ、CEOは「うそつき」=米国務長官 
https://jp.reuters.com/article/huawei-tech-usa-pompeo-idJPKCN1ST2A4 
 
 東京新聞5月24日号は特報面でも、ファーウェイ製のスマホ利用者は今後サービスを受けられるか、という記事を掲載しており、さながらファーウェイ新聞。 
 
 経営や利用者の利便性などは語られますが、ここで語られないのが、ファーウェイ関連の製品を作る労働者のことです。たとえば半導体の中の半導体である中核半導体のスマホ用の世界シェア90%を占める英ARM社が、ファーウェイとの取引を停止したことが報じられていますが、ARM社とファーウェイはライセンス契約を締結しているので、ARM社の技術をつかっている半導体は、中国の労働者が作っています。 
 
 その中核的半導体は、ファーウェイが独自に開発するにはもうすこし時間がかかるようです。 
 
 ARM社からのライセンス供与が中断されても、別の企業との契約などが可能かもしれませんが、当面は、生産調整というなのリストラが中国の労働者たちを襲うでしょう。 
 ファーウェイの技術開発労働者らは、高給取りともいわれていますが、24時間戦えますか、さながらの長時間かつ高密度の労働を強いられています。こんかいの貿易戦争では、さらなる労働強化が予想されます(というかもうはじまってる) 


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