2019年07月12日11時22分掲載  無料記事
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コラム

愛読する新聞を政府広報誌にしないためには買い支える必要がある

  新聞が政府を忖度する記事を書くようになった背景には新聞の購読者が減少して経営が厳しくなっていることが想像されます。読者の購読料で経費が賄えなくなった新聞社は大企業などの広告費や政府の広報などに依存する割合が高まっていきます。現在の与党自民党は大企業を優遇する政策を取ってきましたから、両社は共通する力を目に見える形であれ目に見えない形であれ新聞社に加えていると想像されます。それは紙面に反映するはずです。 
 
  新聞社は慈善団体でもなければ社員は霞を食っているわけでもないので、飯が食えなくなれば一部のジャーナリストは辞職することもあるでしょうが、多くの場合はしぶしぶであろうと、どんな記事でも書くのだろうと思います。ドストエフスキーは人間はどんな最悪なことにも慣れるようになると言っていました。ですから、新聞が健全であって欲しいと思えば、新聞社員に読者以上の理想の人間を期待せず、自分と同様の欲望を持つ、か弱い存在だと想定することが必要です。 
 
  そう考えれば、新聞を健全に維持するには新聞社員たちが食えるように買い支える必要があることがわかります。そうして初めて、新聞社員たちも大衆の真の利益のための記事を書けるようになるのだと思います。新聞の経営基盤が固まれば固まるほど、政府から独立した記事が書ける下地ができるはずです。現在の悪しき傾向が続けば数年後には読者は捨てる新聞と守る新聞をより分けて、守る新聞だけを集中してみんなで買い支えなくてはならなくなるでしょう。 


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