2019年07月28日14時57分掲載  無料記事
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農と食

ドイツ農業相 EUのグリホサート登録は22年まで  「再登録は支持を得られないだろう」

 ドイツ連邦政府のクレックナー食料・農業大臣は新聞のインタビューに答えて、EUにおけるグリホサートの登録は22年まで続くと語った、とブルームバーグが伝えた。さらに、グリホサート禁止を議決したオーストリアに続くべきではないと付け加えたという。クレックナー食料・農業大臣(キリスト教民主同盟)は、グリホサートの登録について22年以降の再登録は加盟国の支持が得られないだろうとし、ドイツでは、グリホサートに替わる安全な代替策を検討しているという。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 ・Bloomberg, 2019-7-14 
  German Minister Casts Doubt on Glyphosate's Future Use in Europe 
  https://www.bloomberg.com/news/articles/2019-07-14/german-minister-casts-doubt-on-glyphosate-s-future-use-in-europe 
 
 6月26日の連邦議会ではメルケル首相は、「最終的にグリホサートがこれ以上使用されなくなるところまで来ています」として、時期は明確にはしていないものの、グリホサートの使用はいずれなくなるとの見解を明らかにした。メルケル首相はまた、「農民に負担をかけずに達成されるべきだ」と付け加えたという。 
 
 ・reuters, 2019-6-26 
  Glyphosate use will eventually end, Merkel says 
  https://uk.reuters.com/article/uk-bayer-glyphosate-merkel/glyphosate-use-will-eventually-end-merkel-says-idUKKCN1TR1R1 
 
 一昨年11月、EUは加盟国の投票で5年間のグリホサートの登録延長を決めた。この投票に当たって、ドイツ連邦政府環境相は登録延長反対を明言していたが、実際に投票した農業相が賛成票を投じた。しかし、その後のキリスト教民主同盟と社会民主党との大連立では、グリホサートの禁止が明記され、環境相はたびたび禁止に言及していた。 
 
 オーストリア国民議会は7月2日、グリホサートの使用を全面的に禁止する法案を可決し、フランスも禁止へと動いている。こうしたグリホサート禁止への動きが続くのであれば、クレックナー食料・農業大臣が指摘するように、EUの22年以降のグリホサート登録延長はほぼなくなったのではないか。 
 
【関連記事】 
 ・ドイツ大連立協定 グリホサート禁止を盛り込む 
  http://organic-newsclip.info/log/2018/18020888-1.html 
 
 ・EU かろうじてグリホサートの登録5年延長を決定 
  http://organic-newsclip.info/log/2017/17110866-1.html 


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