2019年08月04日08時56分掲載
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核・原子力
政府とメディアがひた隠す福島事故後の惨状 脳障害などが急増 落合栄一郎
福島原発事故の現場の様子は、ある程度視覚によって判断できるのですが、あの事故によって放出された放射性物質が人々や他の生き物へ与える影響は、目に見えません。
また、福島の子供達の間に、甲状腺癌が、通常の数十倍も発生していることは、時々は、報道されるが、多くの市民は気がついていない。気がついていても、政府が必死に、その事実(多発という事実そのものは、政府も否定できない)を、福島事故とは無関係と、主張し続けている。その主張を裏付けるために、いわゆる御用学者さん達が、いい加減な(科学的を装った)研究を発表し、政府は、それ見ろ、科学的にも、関係がないことが証明されているのだぞと、宣伝している。この部分は報道されているので、市民は、福島事故による人々の健康への影響はたいしたことがないと思わされている。
政府としては、来年のオリンピックまでは、どうしても福島事故は解決済み,いやなかったことにしておきたいので、懸命である。それに忖度したのか、NHKを始め主要報道機関は、問題点─放射線被曝による健康問題&─にはあまり触れようとしていない。
報道しなければ、市民は気がつかないのが、この被曝の影響問題なのです。人が病気になり、死亡するというのは、なにも放射線被曝によるばかりでなく、無数の原因があるからです。ですから、福島事故後と、その前との違いを報道しなければならないのです。日本の厚生労働省は、死亡統計を毎年発表している。その統計値を、グラフにしてくださった方がおられるのですが、それをみると恐ろしいことが起っていることがわかります。その2、3を紹介します。
甲状腺癌その他のガンも増えているのですが、特に急増しているのが、脳障害です(先にこの欄でもお知らせした(1))が、もう一度お知らせします。なお、これらの図では、黒い曲線で示されているのが、全国のデータで、赤が福島で、その他は、福島周辺(関東を含む)の県のデータです。ここに添付する図1は、アルツハイマー病による死亡率が、2011年を境に恐ろしいほど急増していることを示しています。パーキンソン氏病も急増しています。図2は、死亡原因が確定できない老衰死の例です。これも2011年を境に急増しています。老化現象が加速しているようです。この他にも2011年を境に増えているものには、心疾患その他いろいろあります。また、日本の人口の減少が2011年後加速していることも、データを図にすると見えてきます。こうした現象は、このように統計的に目に見える形にしないと、なかなか見えません。これらが、福島事故による被曝現象なのがどうかを立証することは困難ですが、異常な現象が起きているということは事実のようです。
(1)http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201712251202041
図1 アルツハイマー病死率の急増
図2 老衰死率の急増
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