2019年08月07日19時36分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201908071936273

アフリカ

【西サハラ最新情報】  モロッコのペット感覚、アフリカ人感覚

 2019年8月1日から2日にかけて、<世紀の交渉>第2弾を目指す♠米大統領娘婿のクシュナーご一行が、モロッコを訪問しました。 MAP(モロッコ国営通信)も公式見解を避けたこの訪問の実態を報告しようと勉強しておりました。 が、8月3日、MWN(モロッコ世界ニュース)が、ハスキー強奪売買事件を巡って、モロッコ庶民のネット論戦に火が点いたことを伝えました。 筆者も論戦に巻き込まれた一人です。 3日といえば、愛犬ハスキー・チョビの月命日で、黙って見過ごすわけにいかなかったのです、、 
 
(1)強奪され売り飛ばされるモロッコのハスキーたち: 
 「弟が生後3か月のハスキー犬を、夜11時頃にラバトのエルファス地区で散歩させていたら、二人の若者がナイフで脅しハスキー犬を奪って逃げた」と、兄がフェースブックでSOSを発信した。途端、予想以上の返信が殺到した。「うちにもペットがいます。見つかりますように、、」という、優しいメッセージよりも、「責任は飼い主のお前たちにある。よそ者に攻撃することを教えるべきだった」とか、「可愛いキュートな犬たちを飼うのをやめよう!ここモロッコは、彼らの安全な棲み処ではない」といった、投稿が多かった。 
 MWN(モロッコ世界ニュース)は、「犬泥棒はナショナル・スポーツ。(の様相を呈してきた?)純血種犬の需要はうなぎ上りにあがり、新しい闇市場が犯罪者たちに就職口を生み出した」と、最近流行るヒットエンドランの闇商売を紹介している。モロッコの首都ラバトに根城を持つペット・マフィアは、ハーフラからケ二トラに蔓延ってきて、カサブランカのコーリアン市場を盗犬で有名にしたとか、、盗犬の中で一番人気はハスキーで、マラムート、ドイツ・シェパードが続き、ロットウイラーやマリノイスなども獰猛なのに注文が多いそうだ。犬の捕獲方法は散歩中を襲うとか、家人の留守を狙って盗むとか、様々あるが、逃亡手段はバイクが多いという。 
 さて、盗まれた犬たちの運命は?、、定かでない。闘犬試合で餌食として使い捨てられる犬とか、麻薬密売人やギャングに売られて番犬になるとか、、優しい家族に買われ幸せに暮らせる犬は、まれにしかいないという。大部分の犬たちは、町から町へより高い値段で転売されていく。盗犬はメデイナ(古い町)にあるスーク(市場)で、盗まれた猫や猿や亀やネズミや鳥やスカンクや蛇たちと売りに出されている。犬泥棒たちは売れ残った犬を子供たちに預け、海岸や路上や公園やバスターミナルで売らせたりしている。みんな病気持ちだとか、、 
 
➁モロッコのアフリカ不法移民センター: 
 モロッコはハシシ麻薬や犬だけでなく、サヘル以南からくるアフリカ不法移民の斡旋業もやっている。ヨーロッパへのアフリカ移民流入をモロッコで食い止めようと、フランスやスペインやEUヨーロッパ連合は、モロッコに乞われるまま、アフリカ移民阻止大型予算を組んだ。その大金を、モロッコがアフリカ移民のために使ったという形跡はない。その用途を裏付けするように、モロッコメデイアはアメリカ製戦闘機の購入を公表している。 
 国連でリビアの不法移民収容センターの劣悪な処遇が問題になり、そのいくつかが閉鎖された。モロッコ人も不法移民の斡旋業をやっていることは、この闇商売の世界で知らない人はいない。BBC英国TVを始めとして様々なメデイアが、中部アフリカからの不法移民実態を伝えている。不法移民は1000$(約106,000円)、2000$(約212,000円)以上の斡旋料を取られて、サハラ砂漠からリビアやモロッコに運ばれ、劣悪な不法移民センターに放り込まれる。モロッコの場合は再び斡旋業者が登場し、モロッコ北端にあるスペインの飛び地領メリリャやセウタの高い国境フェンスに挑戦するか、ジブラルタル海峡を渡るゴムボートに乗るかを決めさせられる。どちらも有料だ。金がない場合は、斡旋業者に借金をすることになる。 
 国境フェンス越えは、オリンピック以上に体力と運動能力が要求される。それでも若いブラック・アフリカ人やモロッコ人の挑戦者が多いのは、フェンスを越えたらそこはスペインだからだ。2018年7月26日早朝、糞便や生石灰を警官隊に投げつけながら、モロッコ側から約800人のアフリカ不法移民が、国境二重フェンス越えに挑戦した。その内602人がスペイン側に入り、過去最大のフェンス越えを記録した。 
 モロッコのタンジェ近海からジブラルタル海峡に乗り出すゴムボートに詰められた老若男女のブラック・アフリカ人やモロッコ人たちは、公海を抜けスペイン領海に入ることを神に祈っている。もしモロッコ領海でモロッコ警備船に捕まったら、、地獄だ。「モロッコの不法移民収容所に戻るぐらいなら、海で溺れ死んだほうがましだ、モロッコ人は我々を動物以下に扱うんだから、、」と、幼児を抱えた若い母親が訴えていた。 
 
 スペインが不法移民の入国を厳しく制限したら、、: 
 スペイン南部の沿岸警備が厳しくなり、アフリカ不法移民のスペイン入国数が目覚ましく減少した。それでも、夢見るアフリカの人々は、モロッコの移民斡旋業者に騙されて地中海航路に変え、ヨーロッパを目指した。ジブラルタル海峡はモロッコ北端からスペインの南端が見える、僅か15キロメートルの距離だ。一方、モロッコから地中海を経てマジョルカ島までが約900キロメートル、イタリアのサルデーニャ島まで約1,300キロメートルはある。 
 8月6日、MAP(モロッコ国営通信)が、「8月4日の夜から5日の朝にかけて、424人の不法移民を乗せたポンコツ船数隻を、モロッコ王室海軍の乗組員が発見した。うち、16人が子供で、女性は53人で、大部分がブラック・アフリカ出身だった。」と、伝えた。発見された424人は、救助船に分乗しいくつかの港に運ばれていった。 
 スペインのエル・パイス通信が、「EUは、モロッコも含むアフリカ不法移民を排除するため、140,000,000ユーロ(約16,800,000,000円)の拠出金をモロッコに約束した。モロッコはその内の40,000,000ユーロ(約4,800,000,000円)をスペインから受け取っている。スペインはさらにモロッコに対して、26,000,000ユーロ(約3,120,000,000円)も、近々に払う予定だ」と、7月に発表した。モロッコ政府はEUの不法移民排除助成金を<労せず頂き>の積りにしていたが、金を払うEUやスペインから、モロッコ政府に対して、「不法移民の軽減を実行せよ」という圧力がかかってきたようだ。MWN(モロッコ世界ニュース)は、「モロッコは2019年に入ってから、40.300以上の不法移民を撃退した。IOM(国際移民組織)は、2019年1月からスペインに海路で不法入国した不法移民は、12,443人に上っていると、発表している」と、モロッコの移民排除実績を宣伝した。 
 
 モロッコ人の中には、動物やブラック・アフリカ人を尊敬しない人がいるようです。モロッコはアフリカ大陸の一部だという事を、お忘れのようです。 
 お盆の時期です。 不幸な死を遂げた犬や猫、、そして人々の冥福をお祈ります。 
 
 
Youtubeに2018年7月にアップした「人民投票」(Referendum)をご案内します。 
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc 
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU 
 
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。 
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo 
「Last Colony in Africa]  英語版URL:  https://youtu.be/au5p6mxvheo 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2019年8月7日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。