2019年08月10日23時47分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201908102347326

社会

「表現の不自由展・その後」の中止を受け、日本消費者連盟が 展示再開求める声明

 「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の中止を受け、市民団体、日本消費者連盟が8日に声明を出しました。声明は、「(同企画展の中止は)「表現の自由」「思想信条の自由」を否定することを通して、市民の「知る権利」を侵害し、精神の自由、心の自由を含む私たちの「自由に生きる権利」を葬り去るものでした。それは私たち市民・消費者に対する重大な権利侵害です」として、展示会の早急な再開を求めています。(大野和興) 
 
 以下、声明の全文です。 
あいちトリエンナーレ2019での「表現の不自由展・その後」の再開を求めます 
 
 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」が公開中止になりました。そうなった背後には、慰安婦問題を表現した「平和の少女像」などを展示した同企画展に対する脅迫や抗議が殺到し、さらには一部政治家による非難がまきおこったことがあります。ガソリンテロを予告する脅迫ファックスまで存在しました。消費者運動を掲げて活動している市民団体、日本消費者連盟にとって、これはとても残念で悔しいことです。私たちは、同企画展の再開を心から求めます。 
 私たち日本消費者連盟は、みんなが平和におだやかに生きられる社会をめざし、「消費者の権利」を根底において活動しています。それを支えているのはこの国の憲法です。平和、基本的人権、生存権、自由に生きる権利などなど、憲法が定めるこれらすべてが私たちにとって「消費者の権利」なのです。今回の「あいちトリエンナーレ・企画展」をめぐる顛末は、憲法が定める「表現の自由」「思想信条の自由」を否定することを通して、市民の「知る権利」を侵害し、精神の自由、心の自由を含む私たちの「自由に生きる権利」を葬り去るものでした。それは私たち市民・消費者に対する重大な権利侵害です。 
 いまからでも間に合います。私たちの社会が失ったものを取り返すことができます。中止した「表現の不自由展・その後」を当初企画通り再開してください。社会のそれぞれの場で、それぞれの目標と課題を背負って活動する市民団体のひとつとして日本消費者連盟は、そのことを強く求めます。 
以上 
 
2019年8月8日 
特定非営利活動法人 日本消費者連盟 
 
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190808/k10012028431000.html 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。