2019年08月17日08時23分掲載
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農と食
グリホサート販売中止のダイソー 代替品は酢酸系とグルホシネート
小樽・子どもの環境を考える親の会は昨年11月、100円ショップのダイソーを展開している大創産業が、グリホサート系除草剤の販売を在庫限りとして販売を中止すると回答したと発表している。大創産業は代替品として酢を使った除草剤の販売を始めている。このダイソーの販売中止は評価できる。日本の小売大手としては初めてのケースではないか。他の小売大手も続いて欲しい。(有機農業ニュースクリップ)
・小樽市・子どもの環境を考える親の会, 2018-11-1
グリホサートなど販売中止を求める要望書の回答
https://blogs.yahoo.co.jp/kankitiao/15973831.html
同会は7月初め、DCMホーマックとビバホーム、大創産業、アマゾンに対するネオニコチノイド系とグリホサートの販売中止を求める2万筆余りの署名を送り、各社の回答を求めた。その結果を同会のサイトで、8月11日公開した。昨年グリホサート系の在庫限りで販売中止を明らかにしていたダイソーは、「現在は既に、酢の除草剤2種とグルホシネートの除草剤2種に切り替えて販売をさせていただいており、当該商品在庫につきましては、倉庫在庫はございません。また、店舗にある在庫に付きましても、もうまもなく販売終了となる見込みでございます」と回答している。近く、ダイソーでのグリホサート系除草剤の販売は終わるようだ。
・小樽市・子どもの環境を考える親の会, 2019-8-11
8・8署名と要望書の回答
https://blogs.yahoo.co.jp/kankitiao/16273370.html
・大創産業回答書(小樽市・子どもの環境を考える親の会サイトより)
https://blogs.yahoo.co.jp/kankitiao/GALLERY/show_image.html?id=16273370&no=5
ダイソーは、グリホサート系除草剤の代替として、酢酸系とともにグルホシネート系の販売も始めている。神奈川県内の店舗では、グリホサート系と別にメイン通路に面して陳列していた。環境負荷の少ない酢酸は評価できる。しかしグルホシネートは、その安全性には問題があり、販売は中止すべきだ。
フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は2017年10月、グルホシネートの販売許可を取り消した。同庁は発表で、グルホシネートが生殖毒性が疑われる物質であり、使用している労働者やその周辺の人びと、周辺に居住したり頻繁に訪れる子どもへの健康リスクを除外できないとしている。
・ANSES, 2017-10-24
L’Anses procede au retrait de l’autorisation de mise sur le marche du Basta F1, un produit phytopharmaceutique a base de glufosinate
https://www.anses.fr/fr/content/l%E2%80%99anses-proc%C3%A8de-au-retrait-de-l%E2%80%99autorisation-de-mise-sur-le-march%C3%A9-du-basta-f1-un-produit
EUにおけるグルホシネートの農薬登録も2018年7月、延長手続きはなされず失効している。グルホシネートは現在、EU域内では使用禁止農薬となっている。日本では15種類が登録されている(8月16日現在)。
・EUROPEAN COMMISSION
EUROPEAN COMMISSION:SUMMARY REPORT OF THESTANDING COMMITTEE ON PLANTS, ANIMALS, FOOD AND FEEDHELD IN BRUSSELS ON 19 JULY 2018 -20 JULY 2018
https://ec.europa.eu/food/sites/food/files/plant/docs/sc_phyto_20180719_ppl_sum.pdf
グルホシネートの健康影響について木村―黒田純子氏らは2013年、『自閉症・ADHDなど発達障害増加の原因としての環境化学物質−有機リン系,ネオ二コチノイド系農薬の危険性』(『科学』7月号)で神経系への影響を次のように指摘している。
除草剤グルホシネートはヒト脳で最も重要な興奮性神経
伝達物質グルタミン酸の有機リン化合物である。故藤井
儔子(帝京大学)らは,グルホシネートを投与したラッ
トが激しく咬み合うなど攻撃性を増すだけでなく,母胎
経由で曝露した仔ラットは,普通はおとなしい雌の仔ラ
ットまでお互いに咬み合うなど易興奮・攻撃性を生じる
ことを報告している。
・『科学』, 2013-7
『自閉症・ADHDなど発達障害増加の原因としての環境化学物質−有機リン系,ネオ二コチノイド系農薬の危険性』
http://www.actbeyondtrust.org/wp-content/uploads/2012/02/Kagaku_201307_Kimura_Kuroda.pdf#page=8
除草剤のグルホシネートは、バイエルがバスタの商品名で製造、販売していたが、バイエルのモンサント買収に伴う規制当局からの要求に従いBASFに売却された。BASFは2018年8月、グルホシネート関連事業の買収を完了している。 BASFは同時に、バイエルのグルホシネート耐性遺伝子組み換え作物種子事業も買収した。
・BASF, 2017-10-16
BASF、バイエルの大部分の種子事業および非選択性除草剤事業の買収について同社と合意
https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2017/10/p-17-336.html
・BASF, 2018-8-2
BASF、バイエルの事業および資産の買収を完了
https://www.basf.com/jp/ja/media/news-releases/global/2018/08/acquisition.html
【関連記事】
・フランス グルホシネート(バスタ)の登録取消し
http://organic-newsclip.info/log/2017/17100863-1.html
(添付)
・190816_ダイソーの除草剤.pdf (パッケージと表示の写真)
※速報版(2019-08-14)を改稿。
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