2019年11月07日23時20分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】田中俊一(原子力規制委員会前委員長)語る 「日本の原発はこのまま「消滅」へ 」 柳田 真
日本の原発はこのまま「消滅」へというビックリする見出し・内容の発言を原子力規制委員会前委員長の田中俊一氏がおこなっている。最近発行の月刊『選択』11月号の巻頭言である。
関西電力の原発マネー(40年つづいてきたという)の巨大な闇はそれだけ大きく、深く、長〜い。それだけ原子力ムラ(原子力帝国)の打撃・混迷は大きい。第2の原発大事故発生の前になんとしても原発廃止を実現したい私たちにとっては「チャンス」である。知恵と力をここへ集中しよう。
関西電力(原発マネー)−東京電力(日本原電への2200億円資金提供)−日本原電(東海第二原発)の3つを串刺しにする私たちの運動を作り出そう。
◆田中俊一氏の発言の一部紹介
日本の原発はこのまま「消滅」へ−関西電力の幹部が原発立地自治体の元助役から多額の金品を受け取っていることが発覚しました。
田中:福島第一原発での事故を踏まえて考えると、原子力業界が姿勢を徹底的に正さなければ、日本の原子力に先はない。残念ながら原子力政策の見直しもされないままなので、この国の原発はフェードアウトする道を歩んでいると眺めている。
−原子力政策のどこが間違っていたのでしょう。
田中:日本の原子力政策は嘘だらけでここまでやってきた。結果論も含め本当に嘘が多い。最大の問題はいまだに核燃料サイクルに拘泥していること。
使用済み燃料を再処理して高速増殖炉でプルトニウムを増やして一千年、二千年分の資源を確保するという罠に囚われたままである。一千年後の世界がどうなっているかなんて誰にもわからない。技術的にもサイクルが商用レベルで実用化できる可能性はなく、現に米国、英国、フランスが断念している。
−ではなぜ、いまだに核燃料サイクル路線を放棄しないのでしょう。
田中:いままで「数千年のエネルギー資源が確保できる」という嘘を言い続けてきたからだ。日本の原発はそうした嘘で世論を誤魔化しながらやるという風土があった。(後略) (月刊『選択』11月号より)
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