2019年11月12日21時38分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】思っていることを自由に話せる故郷を帰せ!! 原発マネー還流に思う 石地 優
原発マネーという言葉が巷を賑わせていますが、原発のある地域では原発マネーが様々な使われ方をしています。本流は、関西電力から自治体や住民にばらまかれています。立地自治体には、寄付金といわれている億単位のお金が、匿名で寄付されています。また、祭りや花火大会などのイベント、文化行事などに協賛金や人的応援をしています。ばらまかれたお金は還流することはありません。
◆ 原発マネーの本流
ではどうやって関電はばらまいたお金を回収するのでしょうか。自治体は、原発稼働に協力することで関電の要求に応え、住民は協賛してもらったことにより関電や原発のへの疑問や批判を封じられるのです。
こうして関電は直接原発に関わっていない人も取り込んでいって、原発を稼働させています。
◆民主主義の崩壊
それだけではありません。今の高浜町議会議員14人の内、関西電力社員が2名(継続社員含む)、原発関連の仕事をしている会社員が3人います。
3分の1を越える議員が原発に関係している会社の社員が占める議会で、原発再稼働の判断が行われればどうなるでしょうか、結果は目に見えています。
加えて、選挙の時には関電社員、関連会社社員が家族ぐるみで投票に加わります。これで民主主義が成り立つでしょうか。
◆高浜町の地域経済の現状
高浜町商工会をネットで検索してみました。商工会加盟企業281社の内、73社(26パーセント)が建設業で1位です。原発に関連すると思われる建設業と飲食・宿泊とサービス業の3部門を合計すると177社(63パーセント)になっていました。
高浜町は、原発関連と思われる事業が6割を超える、文字通りの原発城下町です。
◆関西電力の罪
友人と原発など社会問題をテーマにカフェ(茶話会)を福井県内各地で開催しています。高浜町でも2回開催し、高浜町から参加された方は「高浜で原発反対とは言えない」、「高浜町で原発の事を言うと住めなくなる」と話されました。
以上の事からもわかると思いますが、原発の地元では原発マネーが様々な形で暗躍し、地域の経済を牛耳り、民主主義を壊し、住民の尊厳を奪っています。そして、原発事故による放射能汚染や生命の危険、健康障害から目をそらされ考えることを封じられています。
◆国と関西電力は原発の廃炉と後始末に全力を注げ
関電役員らへの金品授受の還流も許せないひどい話ですが、関電による原発マネーの本流で地元住民が痛めつけられていることも知っていただければ有難く存じます。
こんな形でしか存在できない原発は、国と関電の責任で即刻廃炉にし、後始末に全力を注ぐべきです。
そして、思ったことを何でも言える故郷を帰してください。 (筆者は福井県若狭町在住)
たんぽぽ舎【TMM:No3790】(2019年11月12日より転載
初出は「美浜の会ニュース」No161 2019.10.29発行より。
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