2019年12月13日14時01分掲載  無料記事
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政治

英国総選挙で離脱を掲げる保守党が圧勝  労働党は後退・コービン党首は辞任へ

  1年の仕事納めも間近になってきた師走の半ば、驚くニュースが届きました。英国の総選挙でボリス・ジョンソン率いる保守党が圧勝し、労働党のコービン党首が辞意を表明したと言うものです。選挙は昨日で、労働党は支援を訴える女優などの映像をソーシャルメディアで流しており、それを見た直後にこの結果を知り、驚いています。 
 
  日経新聞がBBCの予測を紹介していました。英国の下院総選挙(定数650)で保守党が365と単独過半数に迫る勢い、一方、労働党は196で50議席近く議席を減らしそう、ということです。理由としては欧州連合からの離脱を国民が望んだ、ということがあるとされます。 
 
  「労働党は国民医療制度(NHS)の拡充や、大規模なインフラ投資などを政策に掲げた。ただEU離脱を巡って党内では残留と離脱が対立。明確な姿勢を打ち出せないなか、残留支持層の受け皿になりきれなかったのが響いたもようだ。」(日経新聞) 
 
  であれば、必ずしも普段は保守党支持ではない人々も、過去の保守党のメイ首相時代の迷走ぶりに失望して、離脱を実現してくれそうなジョンソン首相に投じたということでしょう。 
 
  2016年に行われた離脱するかしないかをめぐる国民投票に関して、日本では移民反対という人種的な要素が大きく報道されていましたが、実は大切なことが伝えられていませんでした。それは民族主義的な右派の人々だけでなく、左派の中にも欧州連合離脱を望んだ人々が少なくなかったことです。その理由は今の欧州連合が中央集権的になり、しかも政策の中心にある欧州委員会が多国籍の大企業と癒着して、相当程度、腐敗しているということです。日経新聞の分析にあるように、労働党のコービン党首は欧州離脱が総選挙のテーマになっていながら、離脱に関しては党内をまとめることができず、コービン氏自身もあまりストレートに自らの主張を打ち出せなかったようです。これは日本の次の総選挙への重要な教訓になると言って過言ではないでしょう。 
 
  第一報をもとに書いてみましたが、今後情報がもっと出てくると、もっと正確な分析ができると思います。残念ながら筆者は、現在は限られた情報だけで見立てを作っただけです。 
 
 
村上良太 
 
 
■英Brexit国民投票の裏に英政府=シティ金融勢力の欧州連合「改革」の野望があった  Corporate Europe Observatory  Kenneth Haar (ケネス・ハー) #2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201702092031124 
■英国のEU離脱国民投票  英国経済の明暗は?  キャメロン首相の胸の内 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201606231947004 
■二大政党制の元祖英国の選挙 保守党331議席(36.9%) 労働党232議席(30.4%) スコットランド民族党56議席(4.7%) 労働党の敗因分析がどう報じられているか 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201507221737023 
■欧州連合 〜英国と独仏の確執〜2013年のキャメロン首相の国民投票宣言の波紋〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201401030842295 
■ヨーロッパ人と安倍首相  日欧に共通することは政治の私物化に対する市民の憤り 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201703200057521 


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