2019年12月23日09時43分掲載  無料記事
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コラム

ファシズムと秘密警察と共謀罪

  伊藤詩織さんのレイプ事件で、2015年に逮捕状が出されていながら執行直前で所轄警察署員に警視庁の上層部から逮捕取りやめの命令が入ったことが今回話題になっている民事訴訟が起こされるきっかけになりました。それだけでなく、安倍政権のもとで起きた様々なスキャンダルに対して、警察・検察がほとんど動かないことから政権に忖度して、あるいは政権の命令によって、その運用が差別的あるいは恣意的になっているのではないか、との疑惑が国民の間に膨らんでいます。このことは来年、国会の大きなテーマになるでしょう。 
 
  安倍政権とファシズムの親和性を日刊ベリタで書いてきましたが、ファシズムと言えば基本的に戦争のための国民総動員体制であることから、国家・社会に秘密が増える結果、秘密警察が組織されます。日本ではまだ公的にそうした公安組織まではありませんが、安倍政権下でも特定秘密保護法が制定され、官僚の行動をチェックしにくくなりました。と同時に、共謀罪が制定され、現実の危険性を伴わなかったとしても、ちょっとした言動で普通の市民が共謀罪で逮捕されかねない危惧が広がっています。しかも、共謀罪の対象犯罪がやたらと広いことも批判の対象です。 
 
  警察・検察が政権に加担しているのではないか、という疑惑と、共謀罪などの一連の法律が市民の自由への恫喝になっているのではないか、という疑問は日本のファッショ化という疑惑で1本につながっています。ファシズムは国民を敵と味方に分けて、敵を殲滅する運動であり、その意味で運動体としてのファシズムには警察の運用でも不透明な要素が増えます。 


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