2020年02月04日15時11分掲載
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核・原子力
【たんぽぽ舎発】規制委員長はトリチウムも他核種も海に流せと言うのか!
資源エネルギー庁が1月31日(金)に開催した有識者による「第17回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」で、「現実的な選択肢」として「海洋放出」と「(蒸発させ)大気放出」の2案を提言する報告書を大筋で了承した。風評被害と地元理解への対応を課題としてはいるが、これからの施策は資源エネルギー庁など政府の独自の判断ですることになる。木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク 木村雅英)
いつの間にかタンク保管を選択肢からはずし、公聴会も開催せず、風評被害対策も曖昧なままで、あまりに強引な小委員会の幕引きだ。福島第一原発の7号炉、8号炉建設予定地あるいは福島第二原子力発電所に仮設タンクあるいは恒久貯蔵タンクを設けることができるはずなのに、大熊町から土地提供の提案もあるのに、幕引きを認めた有識者は由々しき者たちである。木村雅英
それにしても、海洋放出を後押しした更田委員長を許せない。
2018年8月に発覚したように多くの汚染水(ALPS処理水)は、トリチウム汚染水であるばかりか他核種が告示濃度を超えているからだ。その内訳を知って驚いた。こんなのを絶対に海に流してはいけない。
・2019年12月31日の汚染水・処理水
(東電HP「処理水ポータルサイト」)】
http://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/
汚染水・処理水合計約118万立方メートルのうちALPS処理水が108万立方メートル。そのうち、30万立方メートル(28%)のみが(真の)トリチウム水(他核種は告示濃度以下)。
残り72%は告示濃度超放射性核種を含み、32%が1〜5倍超え、40%は5倍以上超えなのだ。残存する核種はヨウ素129、ストロンチウム90、ルテニウム106などで、これらを環境中へ放出することは許されない。
それゆえ、「小委員会」でも海洋放出する前に2次処理をするとは言っていた。しかし、これら多核種告示濃度超え水を2次処理して濃度がどれぐらい下がるのかはやってみないと分からない。経産省と東電とを引き続き監視しないといけない。
それにしても、本来トリチウムも他核種も総量で規制するべきであるのに、唯一の原子力規制行政の長が、トリチウムを海に流せというのもひどいが、大半が他の核種も告示濃度を超えていることを知りながら、ALPS処理水を海に流せと言って海洋放出の後押しをしたことは許されない。
このことでも、原子力規制委員会が被曝を押しつける委員会で全く信用できないことが良く分かる。
なお、牧野寛さんの「原点から考える福島第一原子力発電所 放射能汚染水海洋放出問題」(「岩波科学2月号」)から多くを教えられた。力作の一読をお勧めする。
・福島第一原発処理水処分提言「地元の声聴いて」
福島県漁業者が政府に注文
2/1(土)11:54配信「福島民友新聞」
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200201-00010013-minyu-l07
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