2020年02月24日16時08分掲載
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コラム
安倍首相がコロナウイルス対策会議に長居したくない理由は
コロナウイルスで日本で死者も出て広がっている時に安倍首相はほんの数分しか対策会議に立ちあっていなかった、とか、連日会食にあけくれていたといった批判がインターネットで広まっています。これは何を見するか、解釈は人さまざまでしょう。
私は首相官邸の動きに特段詳しくありませんが、これまでの見聞を思い出すと、安倍首相のいわゆる「勉強嫌い」が如実に表れている気がします。安倍首相は「アベノミクスを買ってくれ」とアメリカで訴えたことがありますが、経済を理解しているとは言い難い。そればかりか、大学生が学ぶ経済学の入門書ですら過去に一度でも読んだかどうか怪しい気がします。というのも、安倍首相の言葉に読んだ形跡が感じ取れないからです。外交や軍事についても同様のことが言える気がします。おそらくいずれの分野も基本知識が足りていない。専門知識は専門家に任せればよいのですが、それを理解するための基礎がない。基礎があれば少なくとも興味を持って主体的に取り組んでいけます。でも基礎知識がないからおそらく興味も持てない。様々な重要なイシューに興味があったら会食したり、ゴルフをしたりする時間はないはずです。一人でじっくり考える時間が必要だからです。でも、おそらくそういうことはしたくないのではないでしょうか。だから官僚に全部頼らずを得ない。その結果、知識で太刀打ちできないから官僚を力で押さえつける手法を磨いたのでしょう。
コロナウイルスについても、免疫やら隔離やら、いろいろ勉強しないとわからないことが盛りだくさんです。世の中には、こういうことに知的関心を持てる人と、持てない人がいます。持てない人にとっては、そうしたことを論じる場にいること自体が苦痛で仕方がありません。中学生や高校生が授業中に教室から出て行ったり、教室内を歩き回ったりしますが、彼らもじっと座って授業を受けるのが苦痛なのです。そうした人物が「総理、どうしたらよいのでしょう?」と官僚に聞かれて、的確な対処を指示できるでしょうか?むしろ、会食を理由にできるだけ早く会議から逃れて、あとは担当大臣や官僚たちに任せてしまいたいのではないかと思います。
武者小路龍児
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