2020年03月02日12時52分掲載
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コラム
「緊急事態宣言」 安倍首相の賭け どこまで民主主義を破壊できるか押せるところまで押していく決意
コロナウイルスの騒ぎで後手後手、と批判され、さらに一斉休校要請の決断を批判された安倍首相は国会で緊急事態宣言の立法化について話したと言う。これは、一斉休校の要請で日本国内を動かしたことで安倍首相の中で「ワクワク感」(※)が増幅された結果だろう。安倍首相の「ワクワク感」は、日本国民はどれだけ批判しようとも自分に対して効果ある手を打つことはできないとこれまでさんざん学習した結果、さらにその限界まで行ってやろう、という賭けに出たのである。
実を言えば、すでに今の日本国民はどこまで押されてもゼネラルストライキを行使した経験もなく、国民的な実力行使の仕方を誰も知らない状態にある。さらに革命と言う言葉一つとっても、無条件に恐怖を掻き立てられる心性にある。安倍首相の思いを文言にすれば「不満のある方々、やれるもんならやってみなさい」ということになろう。この賭けは安倍首相の勝ちに終わる可能性もある。ただし、その後の歴史が安倍首相にとって幸せかどうかは極めて不透明だ。なぜなら民衆の行動というものは予測ができない局面があるからだ。
※その方針の根拠が希薄であればあるだけ、国民を自分の恣意的な鶴の一声で左右できる全能感は高まる。それが快感につながりうる。周囲からチヤホヤされて育った子供は経験してきただろう。おもちゃを放ったら付き人の大人が取りに行く。渡されたら今度は別の方向に放り投げる。すると大人がまた駆けていく。面白くなってもっと遠くへ投げようとする・・・・それはあらゆる脳内麻薬と同様に、次第にエスカレートすることになるだろう。叱る大人が大切だ。
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