2020年03月30日07時06分掲載
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コラム
基本食品と私 アリーヌ・パイエ « Denrées essentielles » Aline Pailler 〜自宅引きこもり命令の中で〜
パリの放送局で司会やジャーナリストを長年してきたアリーヌ・パイエさんは退職して、現在は郷里に戻って年金生活を送っています。郷里はフランス南西部のアリエージュ県。スペインとの国境に近く、一帯はピレネー山脈が走っています。新型コロナウイルスの広がりを防ぐため、フランス政府は「基本食品」の購入その他の緊急の用事を除くと、自宅で過ごすように命令を下しています。以下は、そんな状況下でのアリエージュ県からの便りです。
■基本食品と私 アリーヌ・パイエ
「基本食品」というのは十分に主観的な観念だ。というのも、そうでないなら、なぜタバコ屋はオープンしてもいいのか?
私の場合、酒を飲まないし、喫煙もしないが、ショコラなしに過ごすことはできない!ショコラは私のドラッグと言ってもいい。幸いなことに私の好きなショコラは、この新型コロナウイルスによる自宅監禁の時期ながら、アリエージュの近所で作られているのだ。この時期だからこそ郵便局員には区分けと配達で感謝しなくてはならない!!ショコラ職人には休むことなく製造を続けていることに感謝したい。このショコラは生のカカオ豆を使い、ココナツの砂糖を用いている。恍惚と健康が溶け合うのだ!
次に、この謙虚で素晴らしい生産協同組合は支援されなくてはならない。というのも、新型コロナウイルスによる危機以後、フランス政府が行っている政策に私は信頼を持つことができないからだ。さらに、何よりもこのショコラによる恍惚が私にやる気とエネルギーを与えてくれる!私の中にある悪徳が、私に「生で裸」、「錬金術」、「本物」、「愛人」などと名のついたショコラを選ばせる。
だが、好みは気分や時々で変わるのである。これがこのショコラメーカーのウェブサイトである。というのも私一人のものにしておくのがもったいないからだ。
https://www.rose-et-cacao.com/
このショコラが好きなのは、ショコラ・ノワールの苦みが私は好きではないからだ。私はミルク入りのショコラを好む。ミルクが入ると、カカオの風味が弱まるし、砂糖がより多く加味されるが、その分、苦みも取れるのだ。このショコラは苦みがない(これはカカオの焙煎工程に由来する。私はワインに関してもタンニンが多いのはお断りだ)。ショコラの苦みはお断りだが、カカオ豆の香りは好きなのである。「オーレ」や「錬金術」などは微細な味わいを持つ。それは、まろやかで「王宮」の上品さを持っているが、全体に濃密なので、私はあまりたくさんそれを食べないで済む。風味は口の中で長く続く!とても洗練されている。
私の好みは「生で裸」。最初は「オーレ」次に、「錬金術」が好きになって、今は「生で裸」だ。「王宮」は進化をしていると思う。「本物」にはカカオが83%も含まれている。他のメーカーにはできない。最良のブランドでさえ、だ。新型コロナウイルスのおかげで当座は配達での購入となる。
アリーヌ・パイエ (ジャーナリスト)
Aline Pailler
■パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議員 Interview : Aline Pailler ( Journaliste , ex- deputee europeenne)
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■パリで難民支援運動「紅茶と珈琲を難民に」を立ち上げた女性に聞く アリーヌ・パイエ氏、放送ジャーナリスト・元欧州議員 〜私はなぜ今年は投票しないか〜 Interview : Aline Pailler #2
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