2020年04月23日21時46分掲載
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農と食
グリホサートのリアルタイム検出を可能にするバイオセンサー
米国・インディアナ大学は4月20日、リアルタイムで継続的に土壌や水のサンプル中のグリホサートを検出できるバイオセンサーを、同大の研究グループが開発したと発表した。グリホサートに結合すると蛍光を発するように「再設計した」バクテリアを利用しているという。(有機農業ニュースクリップ)
このバイオセンサーについて開発したリズクさんは、「グリホサートに結合するよう再設計されたバクテリア由来のタンパク質に基づいています」と述べていることから、詳細は明らかにされていないが遺伝子組み換えしたバクテリアを利用していると思われる。リズクさんはまた、「グリホサートが検出されると、センサーは検出可能な蛍光信号を生成し、サンプル中のグリホサートの量を定量するために使用することができます」という。
リズクさんは現在の検査システムについて「装置がかさばり、多くの検体の処理には費用も時間もかかります」とし、新たに開発したバイオセンサーは「水と土壌試料中のグリホサートを高い特異性で検出できます。また、米国の飲料水の残留基準値よりも低い濃度でも検出できます」という。
今回の発表は、バイオセンサーの開発にとどまっている。定量化には少なくとも、バイオセンサーとなるバクテリア量のコントロールが必要と思われるが、そうした詳細には触れられていない。検査システムや装置の開発は今後の課題となる。リズクさんは「次のステップは、このバイオセンサーをグリホサート検出装置開発に業界のパートナーを見つけることです」と語っている。
・Indiana University
New fluorescent biosensor detects glyphosate herbicide in soil, water samples
https://news.iu.edu/stories/2020/04/iu/releases/20-biosensor-turns-fluorescent-upon-detecting-glyphosate.html
バイオセンサーが遺伝子組み換えのバクテリアを使っているとすると、このGMバクテリアが環境中に放出されないような「閉じ込め」が問題になるが、インディアナ大学の発表では何も触れられていない。リアルタイムで簡便に定量的に検出が可能となるのは良いとしても、実用化には、いろいろと解決しなければならない問題が山積しているようにみえる。
※随時更新
・ネオニコチノイド農薬関連年表
http://organic-newsclip.info/nouyaku/neonico-table.html
・ネオニコチノイド農薬データ
http://organic-newsclip.info/nouyaku/neonico-data.html
・ネオニコチノイド農薬:各国の規制状況
http://organic-newsclip.info/nouyaku/regulation-neonico-table.html
・グリホサート関連年表
http://organic-newsclip.info/nouyaku/glyphosate-table.html
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