2020年05月04日13時26分掲載
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憲法
コロナ禍の中で「5.3憲法集会2020」がオンライン配信〜安倍政権による改憲阻止に向けて〜
日本全国が新型コロナウイルスの感染拡大に頭を悩ませている中、安倍首相は先月、衆院議院運営委員会において、「国会の憲法審査会の場で与野党の枠を超えた活発な議論を期待したい」と発言し、「緊急事態条項」の導入も視野に入れた改憲議論を呼び掛けた。これに対し、国民からは「不要不急の議論だ」などと批判の声が上がっている。
こうした中、5月3日、「平和といのちと人権を!5.3憲法集会実行委員会」が国会正門前において、「許すな!安倍改憲発議 平和といのちと人権を!5.3憲法集会2020」を開催した。なお、憲法集会は毎年、有明防災公園(江東区)で大規模に開催しているが、今年は新型コロナの影響により、国会正門前からのオンライン配信となった。
主催者挨拶を行った総がかり行動実行委の高田健氏は、安倍政権が改憲の動きを強めていることに触れ、「本当にコロナの問題を解決しようとするならば、今、憲法審査会を動かしてはならない」と訴えた。また、今後の活動について、「コロナ災禍が収束していたら、憲法公布日である11月3日には必ず大規模な憲法集会を勝ち取り、改憲発議反対の狼煙を上げたい」と意気込んだ。
早稲田大学名誉教授の浅倉むつ子氏は、「安全保障政策に集団的自衛権はいらない。必要なのは、あらゆる暴力を否定する教育を行うこと」とし、「本当の平和、本当の安全を求めるとき、日本国憲法はまさに私たちを導く灯台の光である。自信を持って守り抜こう」と呼びかけた。
このほか、立憲野党や各市民団体からも連帯のメッセージが寄せられた。
なお、安倍首相も同日、改憲派が主催した会合にメッセージを寄せ、憲法改正を成し遂げる決意を改めて示したが、ネット上では「コロナ禍に乗じた火事場泥棒」などと批判の声が上がっている。全国に緊急事態宣言が出されている今、不要不急である改憲議論は先送りにし、当面は休業補償や感染対策など新型コロナの収束に向けて奮闘してもらいたいものだ。
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