2020年06月04日20時06分掲載
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国際
新型コロナ、中東で感染急拡大 アフリカではエボラ出血熱が追い討ち
新型コロナウイルスの感染者が東京都では再び上昇に転じ、あらためて封じ込めの難しさが指摘されているが、世界では地域によってその猛威は依然衰えていない。中東のイラクとイスラエルでは感染が急拡大しているとMiddle East Monitorが報じている。アフリカのコンゴ民主共和国では、新型コロナの感染にくわえ、新たにエボラ出血熱の集団感染が発生した。(藤ヶ谷魁)
アナドル通信社によると、イラクでは6月2日、同国で初の感染者が確認された2月24日以降、1日のうちで最も多い519人の感染が確認され、累積感染者数は7,387人に上り、死者数は235人となった。
想定外の感染拡大は、医療従事者の間で恐怖を引き起こし、当局が感染を抑止するために、首都バグダッドで制限措置を取るよう促した。これを受け、5月28日、首都バグダッドでは14日間の夜間外出禁止令が発令された。
一方、イスラエルでは同日、5月1日以降最も多い116人の感染者を確認し、累積感染者数は1万7,285人にまで増加した。また、新たに5人の死者が出ており、全国的な死亡者数は290人に達した。
当局が制限緩和の措置を講じて以降、新型コロナウイルス感染者数は、ここ数日で増加傾向を示している。
米国のジョンズホプキンズ大学は、今回のパンデミックにより、631万人以上の感染が確認され、このうち272万人が回復したが、37万6800人以上が命を落としたと発表している。
コンゴ民主共和国では、新たにエボラ出血熱の集団感染が発生し、北西部の港湾都市ムンバダカ市で少なくとも5人が命を落としたとThe New Humanitarianが報じた。
5月18日から30日に発生したムバンダカ市での一連の死亡例は、同31日にエボラ出血熱と関連があることが確認された。
ユニセフによると、死亡者との接触がある4人を市内の病院の隔離施設で治療している。追跡調査が増加するにつれて、より多くの人々がエボラ陽性の結果がでる可能性があるとWHOは指摘した。
WHOのテドロス事務局長は、「これは、新型コロナウイルスが人々が直面する唯一の健康上の脅威ではないことを思い出させるものだ」と述べた。
2018年の初期にムバンダカ市で発生したエボラ出血熱の集団感染では54人が感染し、33人が死亡したが、早期に抑制することができた。コンゴ川とルキ川の合流地点にある同市は、主要な貿易の中心地であり、120万人が暮らしている。
コンゴ民主共和国では世界最大規模の麻疹の感染拡大も発生しており、2019年以降、33万2,000人の症例と6,779の死亡が報告されている。
また6月2日現在、新型コロナウイルスの感染者もすでに3,326人、死亡者数が72人確認されている。
新型コロナウイルスの終息が見通せない中で、エボラ出血熱の終息宣言が先送りとなり、感染症との闘いが容易ではないことが改めて証明された。
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