2020年06月05日20時18分掲載
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教育
全ての学生に支援を 学生団体「FREE」が全国学生院内ラリーを開催
新型コロナウイルスの感染拡大は学生生活にも大打撃を与えている。学生たちを支えるための支援策として政府は「学生支援緊急給付金制度」を打ち出したが、救われるのはごく一部の学生だけで、支援内容自体も不十分ということもあって退学を検討している学生も増えているようだ。また、政府が留学生の支援に「成績上位3割程度のみ」などの厳しい要件を設けたことに対しても「不公平であり、差別的だ」との声が上がっている。
こうした中、高すぎる高等教育の学費や奨学金制度の改善を目指す学生団体「FREE高等教育無償化プロジェクト」は4日、参議院議員会館で「全国学生院内ラリー」を開催した。
オンライン配信されたラリーで司会を務めたFREEの齊藤皐稀事務局長は、2つのステートメントを発表。政府に対して「一律学費半額」を第2次補正予算に盛り込むなどの支援策拡充や、留学生のみに課されている厳しい成績要件や出席要件の見直しを訴えた。
FREEが発表したステーメント「第2次補正予算の審議にむけて」・「学生支援給付金の対象の要件における差別の撤回を求めます」
https://twitter.com/free20180913/status/1268460311608086528?s=21
また、独自のWebアンケートを実施している「FREE京都」が、学生から寄せられた切実な声を紹介。その中には、「一時的な給付ではなく持続的な給付が必要。今後も持続してやってもらわないと明らかに足りない」といった声や、「緊急事態宣言が出されてから2か月も経っているのに学費減額もされず、かなり苦しい状況で退学も考えなければならない」といった声があった。
FREE京都はアンケートで集まった声をもとに、第2次補正予算案に対する独自の声明を作成し、地元選出の国会議員への提言も行っている。
政府は来週にも第2次補正予算案の成立を目指す方針だが、未来を担う若者の夢を奪わないよう、思い切った政策として、「一律学費半額」を予算案に盛り込むべきである。また、FREEをはじめ全国各地で学生支援を求める声が上がっており、今回の院内ラリーに国会議員が参加するなど、その声が確実に政治を動かしつつある中、政府は早急に学生の切実な声に耳を傾けるべきだろう。
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