2020年06月28日16時22分掲載
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遺伝子組み換え/ゲノム編集
バイエル ラウンドアップ裁判で和解合意
バイエルは6月24日、米国でのラウンドアップ訴訟に関し最大109億ドルを支払うことで和解合意に達したと発表した。高額の賠償命令を受け上訴中の3件は除かれるものの、最大96億ドルで裁判中と提訴予定の12万5千人に達した原告の75%をカバーするとしている。バイエルはまた、ラウンドアップに関する将来の提訴に対して12億5千万ドルを用意するという。これらの合意は裁判所の承認を必要とするとしている。(有機農業ニュースクリップ)
バイエルは、このラウンドアップ訴訟和解合意の発表で、係争中のジカンバ訴訟に関しても解決に最大4億ドルを支払うと発表した。今年2月、2億6500万ドルの賠償命令を受け上訴中の、ジカンバにより被害を受けた桃農家(ベーダー・ファーム)はこの和解案には含まれないとしている。またこの和解案には、もう一方の被告のBASFは関与していないようで、バイエルは「BASFの貢献を期待する」と述べている。
バイエルは2018年、630億ドルでモンサントを買収したが、モンサントの「遺産」ともいうべきラウンドアップ訴訟のほかに、除草剤ジカンバによる農作物被害や、PCB汚染に関する訴訟を抱えていた。今回の和解合意は、こうした「遺産」を一挙に「解決」しようというもの。この和解合意が裁判所の承認得たとしても、ラウンドアップの販売は継続する一方で、禁止を含む使用規制は進んでおらず、健康被害が絶えるということにはならない。米国内では、米国地質調査所によれば年間約3億ポンド(約13万トン)のグリホサートが使用されている。その約3分の1ずつが大豆とトウモロコシに使用されている。
・Bayer, 2020-6-24
Bayer announces agreements to resolve major legacy Monsanto litigation
https://media.bayer.com/baynews/baynews.nsf/id/Bayer-announces-agreements-to-resolve-major-legacy-Monsanto-litigation
・日経, 2020-6-25
バイエル、農薬訴訟で1兆円超の和解金 米国で支払い
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60761910V20C20A6000000/
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