2020年07月09日12時50分掲載
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政治
バイデン候補擁立に向けてサンダース氏とバイデン氏との共通の政策が発表される 野党を統一し票を積み上げるための努力
アメリカの大統領選で、民主党はバイデン候補の擁立に向けて準備しているが、その重要な礎石が作られた。サンダース候補とバイデン候補が共通の政策を立てて発表したことだ。予備選で多少、溝のできた二人でもあるが、サンダース候補は一貫して、予備選で自分が負けてもバイデン氏を支援すると語ってきた。それがトランプ政権を打倒するために必要であるからに他ならない。運動のための選挙として割り切るのではなく、勝つための努力を最後の最後まで行っていることがわかる。その思いが有権者に伝わってくる。選挙は運動である、というのは批判しがたい。しかし、非正規雇用の人々は何年先に実現できるかわからない「運動」の充実を待っていられないくらいに不安に直面し、疲弊しているのだ。
https://www.npr.org/2020/07/08/889189235/democratic-task-forces-deliver-biden-a-blueprint-for-a-progressive-presidency
上のリンクはNPRのもので、ここには110ページにわたる両者が合意した統一政策が記されている。記事によると、穏健派のバイデン候補が選挙遊説の間に地方の新型コロナウイルスによる疲弊を目の当たりにし、バーニー・サンダース候補やエリザベス・ウォレン候補らのよりプログレッシブな政策をある程度、取り入れたようである。ここではあのニューディール政策で恐慌と闘ったFDR=フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領の名前が喚起されている。サンダース氏によると、バイデン候補はFDR以来、最もプログレッシブな(進歩的な)大統領になりたい、と語ったという。プログレッシブは保守とは異なり、少しずつ段階を踏んで進歩していく政治姿勢である。
この統一政策プロジェクトは5月にバイデン候補とサンダース候補によってともに立ち上げられ、2か月近くかけて6つのチームが各分野における来る民主党政権の統一政策の草稿を練り上げていったそうだ。民主党がサンダース陣営とバイデン陣営で分裂の危機すらはらんでいたことを思い返すなら、驚くべき復元力である。
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