2020年07月21日21時02分掲載
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最近読んだ本 柚木麻子作「BUTTER バター」 スギハラ シズカ
実際にあった事件(首都圏連続不審死事件)から着想を得たフィクション。
女性からみたらあまりぱっとしない人なのに、婚活サイトを介して次々に男たちから金を巻き上げ三人を殺したとされている被告の女と彼女を取材する女性ジャーナリストの話。
読み続けるにつれて話がどう進むのかわからなくなってきてやめられなくなった。
いろんな女性の視点が描かれていて興味深い。と同時に、だまされる男もなんかこんな人いそうと思わせる。そしてとにかくおなかが空いてしまうのだ。
以下本文より
(被害者)
このまま一人で年を取っていくことが怖い。生活がどんどん荒れていく。誰でもいいから食事の準備をして、面倒をみてくれる女が欲しかった。
(主人公の理解者)
進化って何かとてもいいことのように言われているけど、その環境にたまたま対応できたものだけが生き延びて、他種が死んでいくってだけのことなんだよ。
(被告の女)
バターをけちれば料理がまずくなるのと同じように、女らしさやサービス精神をけちれば異性との関係は貧しいものになるって、ねえどうしてわからないの。
(主人公の親友)
家事ほど、才能とエゴイズムとある種の狂気が必要な分野はないというのに。
ー誰と暮らしても結局私は同じなのではないか。
(主人公)
塩バターラーメン、ひとつください。あ、バターましまし、ハリガネで(※)。
柚木麻子さんの小説をほかにも読んだことあったかなと、調べてみたら、昨年アップしてましたね。『本屋さんのダイアナ』これもまた大変面白かったし、共感できるところが多かったです。是非これを読んだ方がどんな感想を持たれたのかお話ししてみたいです。男性には、この本面白くないかも?
※(編集部)ハリガネ=硬さのある麺
スギハラ シズカ
(東京下町に暮らすウェブデザイナー)
■最近読んだ本 「フランスのポスター」(京都工芸繊維大学美術工芸資料館デザインコレクション) スギハラ シズカ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202007121205560
■最近読んだ本 又吉直樹著「東京百景」 スギハラ シズカ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202006091549002
■最近読んだ本 松浦弥太郎著「着るもののきほん100」 スギハラ シズカ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202005051608362
■今週読んだ本 原田マハ著「デトロイト美術館の奇跡」 スギハラ シズカ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202004141248592
■今週読んだ本 「山内マリコの美術館は一人で行く派展」 スギハラ シズカ(東京下町に暮らすウェブデザイナー)
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202004061510041
■最近読んだ本 梶山季之作「せどり男爵数奇譚」 スギハラ シズカ
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202006142152350
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